2022年度 アルゴリズム論   Theory of Algorithms

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開講元
数理・計算科学コース
担当教員名
伊東 利哉 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4(H1101)  金3-4(H1101)  
クラス
-
科目コード
MCS.T405
単位数
2
開講年度
2022年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2022年4月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

問題に応じたアルゴリズムの設計と解析手法について述べる.そのため,導入と して,計算モデル,計算量クラス,多項式時間還元と計算量クラスの完全問題を 概観する.一方,計算量を尺度とした効率に加え,アルゴリズムから得られる出 力の良好度(精度や誤り率など)を尺度として,様々な問題に対するアルゴリズム を設計するとともに,その良好度の理論解析を行う.具体的には,効率的なアル ゴリズムとして代表的な乱択アルゴリズム,部分情報から良好な出力を探索する オンライン・アルゴリズム,特殊な構造(独立性の一般概念)を有する問題群に対 する貪欲アルゴリズムを示し,それらの理論解析を行う.

到達目標

本講義を履修することにより,以下の能力を習得する.
1) 問題に応じたアルゴリズムの設計と解析手法.
2) 計算量(時間計算量や領域計算量など)を尺度としたアルゴリズムの評価方法
3) 出力の良好度(精度や誤り率など)を尺度としたアルゴリズムの評価方法

キーワード

計算量,乱択アルゴリズム,オンライン・アルゴリズム,近似アルゴリズム,代 数的手法,確率的手法

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

数回の講義ごとに,その授業内容の復習のために演習問題を宿題(締切はその次 の講義)を出します.次の講義では,その内容の解説を行います.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 計算モデル: チューリング機械 計算モデルの基本概念
第2回 計算量クラスと多項式時間還元 計算量の定義,非決定性計算
第3回 NP完全 代表的なNP完全な問題
第4回 [1] 乱択アルゴリズム: 系列の同一性判定 [2] 乱択アルゴリズム: 行列積の同一性判定 [1] 多変数多項式の零点と次数の関係 [2] 非零ベクトルの直行性
第5回 乱択アルゴリズム: 最大カット 期待値の線形性の応用
第6回 非乱択化: 最大カット 2限定独立の応用
第7回 [1] オンライン・アルゴリズム: 仕事割り当て [2] オンライン・アルゴリズム: キャッシング 代表的なオンラインアルゴリズム
第8回 貪欲アルゴリズム: 最小全域木 代表的な貪欲アルゴリズムの例
第9回 貪欲アルゴリズム: 一般化(マトロイド) 貪欲アルゴリズムの特徴付け
第10回 近似アルゴリズムの概要と近似クラス 近似率,近似可能性
第11回 距離空間における巡回セールスマン問題 最小全域木とオイラー閉路の応用
第12回 最大ナップザック問題 多項式時間近似スキーム
第13回 近似困難性 近似クラス真の包含関係
第14回 代数的手法: 集合族/確率的手法: 最大独立集合 代表的な代数的手法と確率的手法の例

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

講義資料はT2SCHOLAで公開あるいは講義中に配布する.

参考書、講義資料等

1. Fedor V. Fomin and Dieter Kratsch, Exact Exponential Algorithms, Springer, 2010
2. Stasys Jukna, External Combinatorics, Springer, 2001.
3. Allan Borodin and Ran El-Yaniv, Online Computation and Competitive Analysis, Cambridge Univ. Press, 1998.
4. Noga Alon and Joel H. Spencer, The Probabilistic Method, 3rd eds, Wiley, 2008.

成績評価の基準及び方法

数回の講義ごとに出題する宿題に対するレポート(計3回程度)により評価する.

関連する科目

  • MCS.T213 : アルゴリズムとデータ構造
  • ICT.M215 : 離散構造とアルゴリズム
  • MCS.T322 : 組合せアルゴリズム

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修条件は特に設けないが,アルゴリズムに関する基礎知識が必要である.

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