2018年度 分子シミュレーション   Molecular Simulation

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開講元
知能情報コース
担当教員名
櫻井 実  関嶋 政和  吉野 龍ノ介 
授業形態
講義 / 演習     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火1-2(情報ネットワーク演習室(すずかけ台))  金1-2(情報ネットワーク演習室(すずかけ台))  
クラス
-
科目コード
ART.T545
単位数
2
開講年度
2018年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2018年3月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

生命・情報科学の研究を遂行するにあたり、スーパーコンピューターを用いた分子シミュレーションの知識・技術が必要不可欠となっている。本講義では、量子力学に基礎をおく分子軌道計算、古典力学に基礎をおく分子動力学計算の理論を概説した後、生体分子にターゲットを絞った演習を行う。また、実際に分子シミュレーションを利用している企業等から講師を招き、利用の現場についても学習する。
本講義のねらいは履修生自らが分子シミュレーションを実行することで、分子シミュレーションを実践的な知識として身に付けること、履修生の研究活動などに分子シミュレーションの知識を利活用できるようになることである。

到達目標

1. シミュレーション結果を可視化することで分子の原子レベルの振る舞いをイメージできるようになる
2. シミュレーション結果を解釈することができるようになる
3. 分子シミュレーションをツールとして研究課題に適用できるようになる

キーワード

分子軌道計算、分子動力学、ドッキングシミュレーション、インシリコ創薬

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業は一人一台コンピュータが使える演習室で実施する。多くの時間はインプットファイルの作成→計算→計算結果の解釈・可視化にあてられる。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 オリエンテーション、分子シミュレーションの概要 分子シミュレーションが立脚する理論と応用分野を理解する。
第2回 スーパーコンピュータの利用、Linuxの使い方 スーバーコンピュータがどのような分野に利用されるているかを理解する。Linuxシステムの簡単な使い方を習得する。
第3回 分子軌道計算演習(1):構造最適化・立体配座のポテンシャルエネルギー 低分子の最適構造やポテンシャルエネルギーの理論値を計算する。
第4回 分子軌道計算演習(2):赤外吸収スペクトル・生成熱計算 低分子の赤外吸収スペクトル・生成熱を計算する。実験と計算の対応を解釈する。
第5回 分子軌道計算演習(3):反応経路探索 低分子のSN2反応やDiels-Alder反応の経路を合理的に予測する。
第6回 分子軌道計算演習(4):NMRスペクトル・紫外可視吸収スペクトル 低分子のNMRスペクトル・紫外可視吸収スペクトルを計算する。計算結果と実験結果の比較によって計算が適用できない範囲を実感する。
第7回 先端事例紹介 産業界での分子シミュレーションの利用を知る。
第8回 分子動力学演習(1):タンパク質の分子動力学計算① 溶液中のタンパク質の揺らぎを可視化する。
第9回 分子動力学演習(2):タンパク質の分子動力学計算② 薬剤分子とタンパク質分子の相互作用を解析する。
第10回 分子動力学演習(3):自由エネルギー計算 タンパク質への変異導入による薬剤分子・タンパク質間の結合ギブズエネルギー変化を計算する。低分子の自由エネルギーを計算する。
第11回 分子動力学演習(4):拡張サンプリングによる自由エネルギー局面探索 通常の分子動力学計算では探索しきれない広い構造空間を探索する手法を用いて中分子の自由エネルギー局面を得る。
第12回 先端事例紹介 産業界での分子シミュレーションの利用を知る。
第13回 in silico screening演習(1): インシリコ創薬(既知阻害剤ベース) ある標的分子の活性阻害を目指し、それを阻害することが分かっている低分子の情報をもとにして、新しい低分子阻害剤を予測する。
第14回 in silico screening演習(2): インシリコ創薬(標的分子の構造ベース、ドッキングシミュレーション) ある標的分子の活性阻害を目指し、標的分子の構造をもとにして、新しい低分子阻害剤を予測する。
第15回 in silico screening演習(3):課題解決演習 ある与えられた標的分子の新しい阻害剤を探索するための手法を今まで習得した方法を組み合わせることで提案する。

教科書

本演習では独自テキストを配布するため教科書は使用しない。

参考書、講義資料等

ほぼ毎回演習資料を配布する。

成績評価の基準及び方法

本演習内で扱った内容およびシミュレーション結果を解釈する課題のレポート提出により成績を決定する。

関連する科目

  • LST.A211 : 物理化学第三(分子軌道,相互作用)
  • CSC.T353 : 生命情報解析
  • ART.T543 : バイオインフォマティクス

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

事前に身につけているべき知識や技術はない。

その他

特になし.

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