本講義は複雑なシステムを表すネットワーク構造を理解して分析する能力を身につける。
ネットワークの特徴量、アルゴリズム、モデル、プロセスの4つの観点から学ぶ。
本講義のねらいは、以下の三つである。
1)ネットワーク構造における基礎的な概念の学習
2)ツールによるネットワーク分析の実践
3)様々な分野における複雑ネットワークの応用例の理解
本講義を履修することによって以下の能力を得ることを目標とする。
1)ネットワーク構造における基本的な特徴量を理解し、与えられたネットワークで計算することができる
2)ネットワーク構造を対象とした基本的なアルゴリズムを理解することができる
3)ネットワークの生成モデルを理解し、簡単な生成過程をシミュレートすることができる
4)ネットワーク上で起こる感染等のプロセスを理解することができる
複雑ネットワーク,グラフ理論,数理モデル
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
前半は複雑ネットワークの概要およびその理論的な取扱いや解析方法についてスライドや講義資料を用いて講義する.後半は,複雑ネットワークの手法による解析が有効となる応用例を各分野の専門家が紹介する.生物システム,遺伝子ネットワーク,同期現象,ウェブページのネットワーク,社会・経済システム,電力システム等を予定している.
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 導入、グラフ理論・ネットワーク科学の発展の歴史、ネットワーク分析ツール | レポート課題(講義中に提示) |
第2回 | ネットワーク特徴量(1) (隣接行列、木、平面ネットワーク、次数、パス、連結成分、連結性) | レポート課題(講義中に提示) |
第3回 | ネットワーク特徴量(2) (グラフラプラシアン、ランダムウオーク、次数中心性、固有ベクトル中心性、近接中心性、媒介中心性) | レポート課題(講義中に提示) |
第4回 | アルゴリズム(1) (最短パス、Dijkstraアルゴリズム、最大流アルゴリズム) | レポート課題(講義中に提示) |
第5回 | アルゴリズム(2) (グラフ分割、コミュニティ抽出) | レポート課題(講義中に提示) |
第6回 | モデル (ランダムグラフ、べき分布、スケールフリー、スモールワールド) | レポート課題(講義中に提示) |
第7回 | プロセス (感染、SIモデル、SIRモデル) | レポート課題(講義中に提示) |
第8回 | 複雑ネットワークの応用1:社会ネットワーク(1) | レポート課題(講義中に提示) |
第9回 | 複雑ネットワークの応用2:社会ネットワーク(2) | レポート課題(講義中に提示) |
第10回 | 複雑ネットワークの応用3:生物系のネットワーク(1) | レポート課題(講義中に提示) |
第11回 | 複雑ネットワークの応用4:生物系のネットワーク(2) | レポート課題(講義中に提示) |
第12回 | 複雑ネットワークの応用5:ネットワーク化エージェント系の制御(1) | レポート課題(講義中に提示) |
第13回 | 複雑ネットワークの応用6:ネットワーク化エージェント系の制御(2) | レポート課題(講義中に提示) |
第14回 | 複雑ネットワークの研究最先端1: ネットワークのルーティング | レポート課題(講義中に提示) |
第15回 | 複雑ネットワークの研究最先端2:企業ネットワークの解析 | レポート課題(講義中に提示) |
1. Networks: An Introduction, M. E. J. Newman, Oxford University Press
2. 複雑ネットワーク 基礎から応用まで、増田直樹・今野紀雄、近代科学社
1. Networks: An Introduction, M. E. J. Newman, Oxford University Press
レポートおよび試験(時期は講義中に指定する)
基本的な線形代数,微積分