本講義は、今や情報システムの最も重要な基盤の一つとして位置づけられるデータベースシステムにおける概念、モデル、技術に関する包括的な導入を目指している。
本講義では、まず関係代数、関係論理、正規形を含む関係モデルについて論じる。次にデーターベースの概念設計、SQL を含む問い合わせ言語、同時実行制御、障害回復を含む重要な概念であるトランザクションについて述べる。さらに、データの格納方法や索引、あるいは問い合わせ処理に関する技術に関しても取り扱う。オブジェクト指向データベース、XMLデータベースやRDFデータベースといった最近のトレンドについても紹介する。
本講義を履修することによって以下を習得する。
1) データベースに関する基本概念とモデルの理解
2) 要求を満たす正規形のデータベースの設計
3) データベースに対する適切な問い合わせの記述
4) トランザクションの同時実行制御と障害回復の取り扱い
5) データ格納方法、索引、問い合わせ処理に関する技法の活用
6) データベースにおける最近のトレンドに関する知識
関係モデル、関係代数、関係論理、正規形、概念設計、問い合わせ言語、SQL、トランザクション、同時実行制御、障害回復、データ格納方法、索引、問い合わせ処理、オブジェクト指向データベース、XMLデータベース、RDFデータベース
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
一般的な講義形式で、授業中に簡単な練習問題を行う
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イントロダクション:データベースの基本概念、データモデル、関係モデル | データベースの概念の理解 |
第2回 | 関係モデル:関係代数 | 関係代数の理解 |
第3回 | 関係モデル:関係論理、正規形 | 関係論理と正規形の理解 |
第4回 | 実体関連モデル、データ定義言語、データ操作言語、関係完備 | 概念モデルとデータ定義・操作言語の理解 |
第5回 | 問い合わせ記述 (SQL, QBE)、集約演算 | 問い合わせ記述 |
第6回 | 更新記述、データ定義、VIEW | 更新、データ定義の記述 |
第7回 | 中間試験 | 前半項目の理解の確認 |
第8回 | トランザクション1:ACID性、2相ロック、階層ロック | トランザクションの概念の理解 |
第9回 | トランザクション2:時刻印方式、多版管理、障害回復、RAID | 障害回復方法の理解 |
第10回 | データ格納方法:不揮発性記憶媒体、ページ、レコード、索引 | データ格納方法の理解 |
第11回 | 問い合わせ処理1:射影演算、選択演算、入れ子結合、マージ結合 | 問い合わせ処理の理解 |
第12回 | 問い合わせ処理2:ハッシュ結合、割り算、集合積、集合和 | 問い合わせ処理の理解 |
第13回 | オブジェクト指向データベース、ORDB | オブジェクト指向モデルの理解 |
第14回 | XMLデータベース、RDFデータベース | XML/RDF データベースの理解 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
OCW/OCW-i にて資料を配布
C.J. Date 著,藤原 譲 監訳,データベースシステム概論 原書6版 (An Introduction to Database Systems), 丸善 など
中間試験を50%、期末試験を50% とし、講義中の練習問題への回答を加点する
特になし
yokota[at]cs.titech.ac.jp