IoT時代においてサイバーフィジカルシステム(CPS)に注目が集まりつつある。このような背景の中で、情報工学を学ぶ者は計算機(サイバー)だけでなく実世界(フィジカル)のモデル化についても理解を深める必要がある。そこで本授業では実世界を動的システムとして表現し解析するための基礎を習得する。具体的には、状態方程式や伝達関数のシステム表現、および、それに対応する解析手法に関する基礎知識を学習する。
本講義を履修することにより,以下の知識と能力を修得する。
1) 動的システムの全体像を理解する。
2) 動的システムのシステム表現とシステム解析の基礎を習得する。
3) 状態空間と伝達関数を用いるモデリングの方法論を身につける。
4) 状態空間と伝達関数におけるシステム解析の方法論を身につける。
5) 数値解析によって動的システムの振舞いを可視化できる。
動的システム、システム表現、システム解析、状態空間、状態方程式、モデリング、同型性、1次系、2次系、安定性、伝達関数、ブロック線図、過渡応答、周波数応答、数値解析、非線形システム、サイバーフィジカルシステム
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義を中心に行う。必要に応じて授業中に演習問題を解いてもらい講義内容の理解を深める。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | はじめに | なぜ動的システムを学ぶのか? |
第2回 | 状態空間表現1 | 状態方程式、線形代数の基礎 |
第3回 | 状態空間表現2 | 状態方程式の解、状態空間と軌道 |
第4回 | 状態空間表現3 | 安定性、可制御性と可観測性 |
第5回 | 状態空間表現4 | 状態フィードバック、オブザーバ |
第6回 | 小テスト | |
第7回 | 伝達関数表現1 | 伝達関数、ラプラス変換の基礎 |
第8回 | 伝達関数表現2 | システムの応答特性、安定性と極 |
第9回 | 伝達関数表現3 | 周波数応答 |
第10回 | 伝達関数表現4 | フィードバック系の安定性 |
第11回 | 小テスト | |
第12回 | 数値解析 1 | フィードバック制御系 |
第13回 | 数値解析 2 | 非線形システムへの展開 |
第14回 | おわりに | 情報工学と動的システム |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
なし
講義資料を授業において配布
レポート(50%)とテスト(50%)の総合評価
特になし
三宅美博 Eメール:miyake[at]c.titech.sc.jp、内線:5656
大良宏樹 Eメール:ora[at]c.titech.ac.jp、内線:5656
なし