本講義では,システムの解析や設計において必要となる最適化および意思決定のためのモデル化と方法論について学びます.具体的には,講義の前半では,線形計画モデル,線形計画法,非線形計画モデル,非線形計画法,多目的最適化手法など,最適化のためのモデル化と方法論について講義します.講義の後半では,ゲーミングを通じて意思決定基準,意思決定と情報,社会ジレンマについて学んだ後,代替案とその選択基準,ゲーム理論,制度と社会シミュレーションなど,意思決定のためのモデル化と方法論について講義します.
本講義を履修することによって,システムの解析や設計において必要となる最適化および意思決定に必要な知識を習得し,実世界の問題に応用できるようになることを到達目標とします.
本講義を履修することによって次の能力を習得する.
1) 最適化問題について説明でき,実世界の問題を最適化問題として定式化できる.
2) 線形/非線形計画問題と線形/非線形計画法について説明でき,線形/非線形計画問題を解くことができる.
3) 多目的最適化と代表的な多目的最適化手法を説明できる.
4) 参加型のゲーミングシミュレーションで意思決定の複雑さを学ぶ.
5) 意思決定過程で制度的な境界条件が与える影響を理解する.
6) 意思決定過程での情報と認識の共有の重要性を理解する.
線形計画,非線形計画,多目的最適化,意思決定、ゲーミングシミュレーション
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
第2~7回は,講義に加えて講義内容の理解を促すための演習もしくはレポートを出題します.第8回は,第2~7回までの内容の理解度を確認するための総合演習を行います.第9~15回では体験型のゲーミングシミュレーションに参加することで意思決定について学びます。体験した内容について考察したレポートを提出してもらいます。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | イントロダクション | 講義の背景,目的の理解 |
第2回 | 線形計画(1):線形計画問題,シンプレックス法 | 線形計画問題,シンプレックス法の理解 |
第3回 | 線形計画(2):2段階法 | 2段階法の理解 |
第4回 | 非線形計画(1):無制約非線形計画問題,最適性の条件,最急降下法 | 無制約線形計画問題,最適性の条件,最急降下法の理解 |
第5回 | 非線形計画(2):大域的収束性と収束率,共役勾配法,準ニュートン法 | 大域的収束性,収束率,共役勾配法,ニュートン法,準ニュートン法の理解 |
第6回 | 非線形計画(3):制約付き非線形計画問題,最適性の条件,反復法 | 制約付き線形計画問題,最適性の条件,代表的な反復法の理解 |
第7回 | 多目的最適化 | 多目的最適化問題と代表的な手法の理解 |
第8回 | 理解度確認総合演習 -第2回から第7回までの内容の演習形式による確認 | 第2回から第7回までの理解度確認と到達度自己評価 |
第9回 | ゲーミングで理解する意思決定(1):意思決定の基本 | 意思決定に関する基本概念の理解 |
第10回 | ゲーミングで理解する意思決定(2)ロストインスペース | ロストインスペースというゲーミングを通じて意思決定について学ぶ |
第11回 | ゲーミングで理解する意思決定(3):デブリーフィング | ゲーミングに対する振り返りで議論を行う |
第12回 | ゲーミングで理解する意思決定(4):マーズメッセージ | マーズメッセージというゲーミングを通じて意思決定について学ぶ |
第13回 | ゲーミングで理解する意思決定(5):デブリーフィング | ゲーミングに対する振り返りで議論を行う |
第14回 | ゲーミングで理解する意思決定(6):環境マネージメントゲーム | 環境マネージメントゲームというゲーミングを通じて意思決定について学ぶ |
第15回 | ゲーミングで理解する意思決定(7):デブリーフィング | ゲーミングに対する振り返りで議論を行う |
各講義で必要な資料を配布する.
なし
講義前半と講義後半の平均点を評価とする.講義前半は第8回に行う理解度確認総合演習で評価する. 講義後半は、ゲーミングへの参加に関するレポートと議論への参加で評価する。
特になし