2016年度 オートマトンと形式言語 E   Automata and Formal Languages

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
情報工学系
担当教員名
篠田 浩一  中村 清彦 
授業形態
講義 / 演習     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-8(W935)  金7-8(W935)  
クラス
E
科目コード
CSC.T251
単位数
3
開講年度
2016年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2016年4月27日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

本講義では,プログラム言語処理・自然言語処理の基礎について論じ,句構造文法,正規表現,有限オートマトン,プッシュダウンオートマトン,形式言語の性質について講義する.
形式言語について生成する手段と認識する機械の二つの観点から学ぶことにより,言語処理に関連する基礎理論を理解することをねらいとしている.

到達目標

本講義を履修することにより,以下の知識と能力を修得する.
1) 正規言語と文脈自由言語の定義と性質を理解する.
2) 正規文法と文脈自由文法について定義を理解し,標準形への変換等に関する問題を解くことができる.
3) 決定性/非決定性有限オートマトンの定義を理解し,文法に対応するオートマトンを生成する問題などを解くことができる.
4) プッシュダウンオートマトンの定義を理解し,関連するアルゴリズムに関する問題を解くことができる.

キーワード

句構造文法,正規言語,文脈自由言語,正規文法,文脈自由文法,正規表現,有限オートマトン,プッシュダウン・オートマトン,反復補題

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

1) 講義のはじめに前回講義の復習と演習問題の解説を行う.
2) 講義の後半(30分程度)で講義内容に演習問題を出題する.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 イントロダクション,句構造文法 形式言語,句構造文法,列の導出
第2回 正規文法 正規文法,正規言語,正規言語の和集合・連接・クリーネ閉包,ε生成規則の除去
第3回 有限オートマトン オートマトンの形式的定義,状態遷移図,決定性有限オートマトン(DFA),非決定性有限オートマトン(NFA)
第4回 正規文法と有限オートマトン NFAからDFAへの変換,NFAに対応する正規文法の導出
第5回 ε遷移を含むオートマトン ε遷移を含むオートマトン,ε遷移の除去,和集合・補集合・共通集合・連接・クリーネ閉包に対するNFA
第6回 決定性有限オートマトンの最小化 DFAの状態数最小化アルゴリズム,最小性の証明.一意性の証明
第7回 正規言語の反復補題 正規言語の反復補題,正規言語ではないことの証明法
第8回 正規表現からオートマトンへの変換 ボトムアップ法,トップダウン法
第9回 オートマトンから正規表現への変換 Kleeneの方法,再帰方程式を解く方法
第10回 正規言語・有限オートマトンに関する演習問題 正規言語・有限オートマトンに関する演習問題を解く
第11回 正規言語・有限オートマトンに関する復習,中間試験 正規言語・有限オートマトンに関する復習と中間試験
第12回 文脈自由文法(CFG) 文脈自由文法,文脈自由言語,導出木,曖昧性,ε生成規則の除去
第13回 チョムスキーの標準形 チョムスキーの標準形(CNF),単位生成規則の除去
第14回 文脈自由言語(CFL)の反復補題 CNFに対する導出木,文脈自由言語の反復補題,文脈自由言語ではないことの証明法(反復補題による)
第15回 Ogdenの補題 Ogdenの補題,文脈自由言語ではないことの証明法(Ogdenの補題による)
第16回 非決定性プッシュダウンオートマトン(NPDA) 非決定性プッシュダウンオートマトン(形式的定義,状態遷移図,受理する言語),時点表示
第17回 文脈自由文法とプッシュダウンオートマトンの等価性(1) 文脈自由文法に対応するNPDAの構成法,空スタックで受理する言語
第18回 文脈自由文法とプッシュダウンオートマトンの等価性(2) NPDAに対応する文脈自由文法の生成法
第19回 文脈自由言語の性質 演算(共通集合,和集合,補集合,連接,クリーネ閉包)に対する閉包性,空問題,包含関係,所属問題,有限問題
第20回 決定性プッシュダウンオートマトン 決定性プッシュダウンオートマトン,決定性文脈自由言語(DCFL)
第21回 文脈自由文法・プッシュダウンオートマトンに関する演習問題 文脈自由文法・プッシュダウンオートマトンに関する演習問題を解く
第22回 文脈自由文法・プッシュダウンオートマトンに関する復習,期末試験 文脈自由文法・プッシュダウンオートマトンに関する復習と期末試験

教科書

R. Smith 著,吉田 敬一 他訳 『コンピュータサイエンスのための言語理論入門』 共立出版,ISBN: 978-4320022799

参考書、講義資料等

J. Hopcroft, R. Motowani, J. Ullman 著,野崎 昭弘, 高橋 正子,町田 元,山崎 秀記 訳 『オートマトン,言語理論,計算論I, 第2版』 サイエンス社,ISBN: 978-4781910260

成績評価の基準及び方法

講義で扱う形式言語の性質,句構造文法,オートマトン,等に関する理解とその応用力を評価する.
配点は各回の演習問題40%,中間試験30%,期末試験30%とする.

関連する科目

  • GRE.C101 : 情報基礎学第一
  • GRE.C102 : 情報基礎学第二
  • CSC.T241 : 計算基礎論
  • CSC.T372 : コンパイラ構成
  • ART.T459 : 自然言語処理

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修の条件を設けない.

このページのトップへ