2019年度 量子計算と量子情報   Quantum Computation and Quantum Information

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
数理・計算科学コース
担当教員名
森 立平 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6(W834)  金5-6(W834)  
クラス
-
科目コード
MCS.T413
単位数
2
開講年度
2019年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2019年9月30日
講義資料更新日
2019年12月2日
使用言語
英語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

近年の量子情報技術の進展により、量子情報処理の基礎の習得は益々重要になっている。本講義では線形代数に基づく量子力学の基礎及び、量子力学を用いた情報処理について扱う。また、量子力学に基づく計算と通信の基礎を学ぶ。

到達目標

以下の知識と能力を習得する。
(1) 線形代数に基づく量子力学の基礎
(2) 非局所性に基づく量子力学の理解
(3) 量子テレポーテーション等の基本的な量子情報処理の技術
(4) 量子回路を用いた量子計算の基礎
(5) 基本的な量子アルゴリズム(位相推定、Shor のアルゴリズム、Grover のアルゴリズム)

キーワード

量子情報、量子計算

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

スライド等の授業資料を用いて講義をする。毎回課題を出す。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 量子力学: 量子状態と量子測定、ベルテスト 与えられた状態と測定に対する測定結果の確率分布の計算
第2回 1量子ビット: ブロッホ球、ユニタリ変換、1量子ビットゲートのユニバーサリティ 1量子ビットにおけるユニタリ変換の計算
第3回 2つ以上の量子ビット: テンソル積、エンタングルメント、量子テレポーテーション 2つ以上の量子ビットにおけるユニタリ変換の計算
第4回 非局所性: ベルの不等式、GHZパラドクス、XORゲーム XORゲームの勝率の計算
第5回 量子回路: Deutch--Josza アルゴリズム 量子回路の出力状態の計算
第6回 量子回路のユニバーサル性 量子回路の設計
第7回 Solovay--Kitaev アルゴリズム Solovay--Kitaev アルゴリズムの改善
第8回 量子位相推定 量子位相推定の解析
第9回 Shor のアルゴリズム ユニタリ行列の固有ベクトルの導出
第10回 Grover のアルゴリズムとその最適性 Grover のアルゴリズムの一般化の証明
第11回 量子計算量理論: 計算量クラス 計算量クラスに関する証明
第12回 量子情報理論: 量子状態の識別、行列ノルム 行列ノルムと量子状態の識別確率の計算
第13回 スタビライザー状態: パウリ群、クリフォード群 スタビライザー状態にクリフォード群を適用した際の計算
第14回 量子誤り訂正符号 量子誤り訂正符号に関する証明
第15回 量子通信複雑度 量子通信複雑度に関する証明

教科書

特になし。

参考書、講義資料等

Michael A. Nielsen and Isaac L. Chuang, "Quantum Computation and Quantum Information," 10th Anniversary edition, Cambridge University Press 2010.

成績評価の基準及び方法

期末試験: 30%
課題: 70%

関連する科目

  • MCS.T203 : 応用線形代数

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特に条件はないが、線形代数の十分な理解を要する。

このページのトップへ