2017年度 計算機支援数理   Mathematical Models and Computer Science

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開講元
数理・計算科学コース
担当教員名
山下 真  笹島 和幸  天谷 賢治  福田 光浩 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6(W832)  金5-6(W832)  
クラス
-
科目コード
MCS.T506
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2017年4月12日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

この講義では,数理最適化に対する計算手法を幅広く概説し,工学への適用事例についても述べる。計算手法としては,線形計画問題に対する内点法を述べた後に,制約なし非線形最適化問題に対する各手法を述べ,制約付き最適化問題を扱う。また,組合せ最適化問題の定式化および計算手法についても扱う。工学への適用事例としては,機械計測や自然をお手本とした最適化などを扱う。

近年の計算機の急速な進歩により,数理科学の方法論には大きな変革がもたらされており,それと同時に,その進歩を有効に活用するための新たな数理計算技術が要請されている。数理最適化の計算手法は,そのような数理計算技術の1つであり,複数の計算手法がどのように活用できるのかを知ることは複雑な実問題を解決する上で大きなメリットである。また,工学の適用事例についても触れることで,計算機と最適化計算手法の進歩を感じ取ることができるであろう。

到達目標

本講義を履修することによって,次の能力を修得する。

(1) 工学的な応用を含めて,様々な問題を数理最適化問題として定式化できる
(2) 線形計画問題に対する主双対内点法の枠組みについて説明できる
(3) 非線形最適化問題の複数の計算手法を適用できる
(4) 錐最適化問題の関係性を説明できる
(5) 組合せ最適化問題に対する計算手法の枠組みを説明できる

キーワード

数理最適化,主双対内点法,最適化計算手法,最適性条件,2次錐計画問題,半正定値計画問題,工学における最適化,組合せ最適化,メタヒューリスティクス,分枝限定法,半正定値緩和

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

この授業では,数学的な計算手法の紹介を中心として行う。毎回の授業の最後に演習問題を出すので,この演習問題を解くことで授業の復習を行うこと。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 最適化・数理計画法の概要 数理最適化問題の主な特徴を解説
第2回 線形計画問題に対する主双対内点法 主双対内点法の計算手順を説明,計算量の見積もりを解説
第3回 制約なし非線形計画問題に対する数値解法 シンプレックス法,直線探索法などの計算手順を解説
第4回 最急降下法,Newton 法,準 Newton 法 最急降下法,Newton 法のメリットとデメリットを比較
第5回 制約付き非線形計画問題に対する数値解法 最適解と最適性条件の関連性を説明
第6回 拡張 Lagrange 法,信頼領域法,主双対内点法 拡張 Lagrange 法,信頼領域法の枠組みを説明
第7回 凸錐計画問題 凸錐計画問題に含まれる数理最適化問題の分類とそれらの図示
第8回 2次錐計画問題,半正定値計画問題 半正定値計画問題を用いた定式化
第9回 最近の話題 ここまでの復習を行い理解度を確認
第10回 機械計測における最適化 機械計測のどのような場面で最適化が必要か説明
第11回 自然をお手本にした最適化手法 自分の周りにどのような最適化問題があるか報告する
第12回 最適化計算の効率化 最適化手法の様々な改良方法を理解する
第13回 組み合わせ最適化問題,メタヒューリスティクス メタヒューリスティクスの複数の計算手法の比較
第14回 分枝限定法 整数計画問題に対する分枝限定法の枠組みの説明
第15回 半正定値計画緩和 半正定値計画緩和を適用したときの半正定値計画問題の定式化

教科書

教科書は指定しないが,下の参考書などから講義資料を作成している。

参考書、講義資料等

講義資料は,OCW-i にアップする。

参考資料は以下のものである。
D. P. Bertsekas, "Nonlinear Programming", Athena Scientific, 2003.
V. Chvatal, "Linear programming", Freedman, 1983
R. Horst, P. M. Pardalos, N. V. Thoai, "Introduction to Global optimization", Klewer Academic, 2000
D. Z. Zu, P. M. Pardalos, "Handbook of Combinatorial Optimization", Klewer Academic, 1998
他の参考資料一覧は,講義資料の中で示す。

成績評価の基準及び方法

最適化問題によるモデル化と各計算手法の枠組みについての理解について評価します。
配点は,期末試験(80点),レポート(20点)

関連する科目

  • MCS.T302 : 数理最適化
  • MCS.T402 : 数理最適化理論
  • ICT.M310 : 数理計画法
  • IEE.A430 : 数値的最適化

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

線形計画問題に対するシンプレックス法,および半正定値行列を含む線形代数の知識があること。

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