数理・計算科学において,離散数学は重要な役割をはたしている.本講義の目的は,離散数学についての基礎の解説である.
本講義を履修することにより,数理・計算科学に登場する離散数学の基礎を理解することを到達目標とする.さらに,それらを具体的な問題に応用できるようになる.
オイラー数, 四色問題, ユークリッド原論と現代幾何学, 半順序集合, 束, 形式概念分析, 母関数, 分割, 表現論, 超幾何総和法, グレブナ基底, 実験数学
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
離散数学の基本的な事項を講義する.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | Euclid の原論,Euclid の原論, 第1巻前半の解説(平行線の公理,三角形の内角の和) | 講義の内容を理解する. |
第2回 | Euclid の原論,第1巻後半の解説 (平行四辺形,面積,ピタゴラスの定理) | 講義の内容を理解する. |
第3回 | 非ユークリッド幾何学(双曲幾何)の解説 (平行線の公理の否定,双曲幾何) | 講義の内容を理解する. |
第4回 | 射影幾何学の解説(射影によって保存される図形の性質, デザルグの定理,パスカルの定理) | 講義の内容を理解する. |
第5回 | メビウスの帯の幾何学 (曲面の向き付け可能性,平坦な曲面としてのメビウスの帯) | 講義の内容を理解する. |
第6回 | 論理,集合,関係からの準備 | 講義の内容を理解する. |
第7回 | 半順序集合 | 講義の内容を理解する. |
第8回 | 束 | 講義の内容を理解する. |
第9回 | 形式概念分析 | 講義の内容を理解する. |
第10回 | 整数分割とヤング図形 | 講義の内容を理解する. |
第11回 | 母関数と数え上げ・解析的組み合わせ論 | 講義の内容を理解する. |
第12回 | 超幾何総和法 | 講義の内容を理解する. |
第13回 | グレブナ基底 | 講義の内容を理解する. |
第14回 | 実験数学 | 講義の内容を理解する. |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし.
B. A. Davey & H. A. Priestley, “Introduction to Lattices and Order”, 2nd ed., Cambridge Univ. Press, 2002,
B. Ganter & R. Wille, “Formal Concept Analysis — Mathematical Foundations”, Springer, 1999
鈴木治,室伏俊明著: 形式概念分析―入門・支援ソフト・応用―,知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌), vol. 19, no. 2 (2007) pp. 103-142.
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特になし.