2021年度 計算の理論   Theory of Computation

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開講元
数理・計算科学系
担当教員名
田中 圭介 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4(W834)  金3-4(W834)  
クラス
-
科目コード
MCS.T323
単位数
2
開講年度
2021年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2021年4月6日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

オートマトンと数理言語論の延長として、基礎的な計算モデルであるTuring機械に関する計算可能性を学びます。これを通して、計算機のハードウェア、ソフトウェアに関する基本的な数学的性質である計算可能性の概念を学びます。具体的には、Turing機械、Church-Turingの提唱、Turing機械のバリエーション、判定可能性、対角線論法、停止問題、帰着可能性、Post の対応問題、再帰定理を扱います。

到達目標

本講義を履修することによって以下を理解する。
1) 計算可能性の概念
2) Turing機械モデルとその変形
3) 計算可能性に関する証明手法

キーワード

計算、計算可能性、Turing機械、Church-Turingの提唱、Turing機械のバリエーション、判定可能性、対角線論法、停止問題、帰着可能性、Post の対応問題、再帰定理

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業は通常の講義の他に演習形式の講義があります。通常の講義3ないし4回につき1回の割り合いで演習形式の講義を行います。そこでは、通常の講義中に扱えなかった内容や小テストについて説明します。授業では毎回、その回の内容、または、それ以前の回の内容について小テストを出します。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 講義全体の概要、講義の位置付け、Turing機械 I Turing機械の概念を理解する。
第2回 Turing機械 II、Church-Turingの提唱、Turing機械のバリエーション I Church-Turingの提唱を理解する。
第3回 Turing機械のバリエーション II 等価性証明手法を理解する。
第4回 Turing機械とそのバリエーションに関する演習 Turing機械のバリエーションについてその性質を理解する。
第5回 判定可能性 判定可能性の証明手法について理解する。
第6回 対角線論法、停止問題 対角線論法の適用方法を理解する。
第7回 帰着可能性 帰着可能性の概念を理解する。
第8回 判定可能性と帰着可能性に関する演習 帰着の具体的方式を理解する。
第9回 言語理論に対する判定不可能性 証明手法を理解する。
第10回 Postの対応問題 問題とその帰着を理解する。
第11回 写像帰着可能性 写像帰着可能性の概念を理解する。
第12回 再帰定理 証明手法を理解する。
第13回 像帰着可能性と再帰定理に関する演習 写像帰着の手法を理解する。
第14回 計算量理論入門 計算量理論の概念について理解する。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

計算理論の基礎 (原著第 2 版) 2 計算可能性の理論, Michael Sipser 著, 太田 和夫, 田中 圭介 監訳, 阿部 正幸, 植田 広樹, 藤岡 淳, 渡辺 治 訳, 共立出版, 2008 年, ISBN 978-4320-12208-6. (原著: Introduction to the Theory of Computation, Second Edition, Michael Sipser, Thomson Course Technology, 2005, ISBN 978-0534-95097-2.)

参考書、講義資料等

初回の講義でお知らせします。

成績評価の基準及び方法

授業中に行う小テスト (60%) と最終試験 (40%) で評価を行います。

関連する科目

  • MCS.T213 : アルゴリズムとデータ構造
  • MCS.T214 : オートマトンと数理言語論
  • MCS.T411 : 計算量理論
  • MCS.T405 : アルゴリズム論
  • MCS.T508 : 暗号理論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

アルゴリズムとデータ構造、および、オートマトンと数理言語論の知識があることが望ましい。

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