2017年度 モデリングの数理   Mathematical Modeling

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開講元
数理・計算科学系
担当教員名
高安 美佐子  樺島 祥介  金澤 輝代士 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月7-8(W834)  木7-8(W834)  
クラス
-
科目コード
MCS.T315
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2017年4月12日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

不確実性を伴う、複雑度が高いなどの理由から第一原理からの記述が難しい現象を理解するためには、それらを数理的な問題として定式化する「モデリング」の作業が特に重要になる。本講義では、確率的な要素や非線形性を含む代表的な現象を例示しながら、モデリングに必要となる基本的な数理について学ぶ。

到達目標

確率的な要素や非線形性を含む現象に関する基本的な数理モデルを学ぶことを通じて、より複雑な現象に対し発展的なモデリングを行うための基礎を身に付ける。

キーワード

確率変数、確率分布、統計量、拡散現象、ブラウン運動、分岐過程、凝集過程、非線形現象、神経回路網モデル

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

それぞれの講義内容に対し、具体的な現象を先に提示し、それをどのような観点から数理的問題として定式化するかについて解説する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 モデリングとは 観測・モデル構築・解析・モデルの評価について、学習する。
第2回 現象の観測1 基本的な分布と、その背後にある数理モデルについて学習する。
第3回 現象の観測2 基本的な統計量と、その背後にある数理モデルについて学習する。
第4回 現象の観測3 定常性、可逆と不可逆について学習する。
第5回 拡散現象のモデリング1 マクロな不可逆現象である拡散を考え、拡散方程式について学習する。
第6回 拡散現象のモデリング2 ミクロの視点から拡散現象を捉えなおし、ブラウン運動と拡散方程式の肝について学習する。
第7回 拡散現象のモデリング3 マルコフ確率過程の拡散運動の数学的枠組みを学び、ブラウン運動の確率数理を理解する。
第8回 拡散現象のモデリング4 拡散現象のモデリング1-3で学んだ具体的内容を応用し、様々な具体例を学んでいく。
第9回 分枝・凝集現象のモデリング1 様々なシステムで観測される分枝現象について解説し、分岐過程のモデリングについて学習する。
第10回 分枝・凝集現象のモデリング2 様々なシステムで観測される凝集現象について解説し、凝集過程のモデリングについて学習する。
第11回 非線形現象のモデリング1 非線形現象の常微分方程式による記述について学ぶ。固定点周りの線形安定性解析の方法を習得する。
第12回 非線形現象のモデリング2 非線形振動現象について学ぶ。ホップ分岐を理解する。
第13回 非線形現象のモデリング3 結合振動子系における同期現象の数学的記述について学ぶ。位相振動子模型を用いて同期現象が普遍的に生じる理由を理解する。
第14回 神経回路網のモデリング1 神経回路網のモデル化について学ぶ。学習素子の基本モデルであるパーセプトロンを取り上げ、その能力と限界に関する数理的特徴づけを習得する。
第15回 神経回路網のモデリング2 自己連想記憶モデルについて学ぶ。リアプノフ関数の概念を用いて、自己連想記憶モデルが記憶を記憶を想起できる仕組みを理解する。

教科書

特になし。

参考書、講義資料等

必要に応じて電子的に配布する。

成績評価の基準及び方法

講義内容の理解度を期末試験にもとづいて評価する。

関連する科目

  • MCS.T211 : 応用微分積分
  • MCS.T203 : 応用線形代数
  • MCS.T223 : 数理統計学
  • MCS.T212 : 確率論基礎

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

線形代数、微積分、確率・統計に関する基本的な知識・技能を有していること。

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