2016年度 数理統計学   Mathematical Statistics

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開講元
数理・計算科学系
担当教員名
鈴木 大慈  樺島 祥介  野村 俊一 
授業形態
講義 / 演習     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4(W833)  金3-4(W833)  金7-8(W833)  
クラス
-
科目コード
MCS.T223
単位数
3
開講年度
2016年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2016年4月27日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

数理統計学の標準的な事項を解説する.具体的には線形回帰の解説から始まり,最尤推定,ベイズ推定といった推定の理論を解説し,その後検定論においては二標本検定や独立性検定,分散分析などを学ぶ.一貫して数理統計学の基本である統計的決定理論にもとづいて推定や検定の「良さ」を論じながら講義を進める.

到達目標

【到達目標】統計学はデータから有用な情報を引き出し人間の意思決定に役立てる学問である.本講義では数理統計学の標準的な基本事項を学び,統計的諸手法の原理を知り,それらを実際に扱えるようになることが目標である.

【テーマ】数理統計学の基本事項として,推定と検定の方法と理論を学ぶ.一般論と実際の計算を通して,確率的事象の裏にある構造を知るための方法論である統計学を理解する.また,機械学習や信号処理といった種々の応用分野でも役に立つ知識を得る.

キーワード

数理統計,線形回帰,判別分析,最尤推定,ベイズ推定,不偏推定,クラメルラオの不等式,フィッシャー情報量,漸近論,決定理論,検定,二標本検定,独立性検定,分散分析,信頼区間

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義と演習の組みで授業を進める.講義では主に黒板の板書を用いて解説をし,期末に試験を実施する.演習では,各自問題を解答し,レポートを解いて提出する.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 講義の概要と確率論の基本事項 統計学に必要な確率論の基本事項を理解する
第2回 単回帰分析 単回帰の方法として最小二乗法と決定係数などについて知る
第3回 演習 前二回分の演習を行う.
第4回 重回帰分析 重回帰分析を理解する.
第5回 重回帰分析の性質 重回帰分析の性質として,その不偏性や分散の大きさなどの導出を学ぶ.
第6回 演習 前二回分の演習を行う.
第7回 不偏推定量とクラメルラオの不等式 不偏推定量の最適性を特徴づけるクラメルラオの不等式およびフィッシャー情報行列の概念を学ぶ.
第8回 十分統計量 十分統計量の定義と十分統計量による不偏推定量の最適性の特徴付けを理解する.
第9回 演習 前二回分の演習を行う.
第10回 最尤推定量 最尤推定量の定義を知り,いくつかの例で最尤推定量を導出できるようになる.
第11回 一致性と漸近正規性 最尤推定量の重要な性質である一致性と漸近正規性を知る.
第12回 演習 前二回分の演習を行う.
第13回 ベイズ推定 ベイズ推定量の定義を知り,実際にいくつかのモデルでベイズ推定量を導出できるようになる.
第14回 ベイズ推定の許容性・ミニマクス最適性および種々の例 許容性やミニマックス最適性といった統計的決定理論の概念を知り,ベイズ推定量がそのような性質をいつ満たすかを理解する.
第15回 演習 前二回分の演習を行う.
第16回 判別分析 判別分析の概念を知る.
第17回 検定論 検定論の概念と単純な検定手法を知る.
第18回 演習 前二回分の演習を行う.
第19回 ネイマンピアソンの補題 検定の最適性を特徴付けるネイマンピアソンの補題を説明する.
第20回 カイ二乗検定 カイ二乗検定を知り,尤度比検定が漸近的にカイ二乗検定になることを理解する.
第21回 演習 前二回分の演習を行う.
第22回 分散分析 分散分析の概念を知り,実際の応用で使えるようになる.

教科書

稲垣宣生『数理統計学』

参考書、講義資料等

特になし

成績評価の基準及び方法

レポート(50%)と期末試験(50%)

関連する科目

  • MCS.T212 : 確率論基礎
  • MCS.T332 : データ解析

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特に無し.ただし,「確率論基礎」で教わる程度の確率論の知識があることが望ましい.

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