[講義の概要] 生物無機化学特論第一および第二では生物無機化学を体系的に紹介する。生物無機化学特論第二では、種々の金属酵素の作用機構を中心に扱う。
[講義のねらい] 生体内における金属イオンの役割を研究する生物無機化学は近年急速な発展を遂げている。この講義では、生物無機化学特論第一で取り扱った基礎をもとに、生体内反応の触媒となる金属酵素について詳しく紹介する。また医療に用いられる金属錯体についても簡単に触れる。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 金属酵素の構造と作用機構を説明できる。
2) 光合成の仕組みを説明できる。
ヒドロゲナーゼ、窒素固定、ニトロゲナーゼ、硝化、オキシダーゼ、光合成
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
この講義では種々の金属酵素の構造と作用機構について学ぶ。最終日には理解度確認のための期末試験を実施する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 生物無機化学序論 | 生物無機化学が取り扱う内容について説明できる。 |
第2回 | 水素酸化還元酵素 | ヒドロゲナーゼの作用機構を説明できる。 |
第3回 | 窒素サイクル | 自然界における窒素循環について説明できる。 |
第4回 | 窒素固定に関連した錯体化学 | 窒素固定酵素の構造モデル、機能モデル化合物となる遷移金属錯体について説明できる。 |
第5回 | 酸素原子転位反応 | 酸化酵素の作用機構を説明できる。 |
第6回 | 光合成 | 光合成の仕組みを説明できる。 |
第7回 | 理解度確認のための演習と解説 | 第1~6回の講義内容を理解し、演習問題に解答できる。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定なし。
R. R. Crichton著、塩谷 監訳「クライトン生物無機化学」(東京化学同人)ISBN: 978-4-8079-0887-5.
S. J. Lippard, J. M. Berg著、松本、坪村、棚瀬、酒井 訳「生物無機化学」(東京化学同人) ISBN: 978-4-8079-0457-0.
J. A. Cowan著、小林、鈴木 訳「無機生化学」(化学同人) ISBN: 978-4-7598-0801-8.
講義資料は講義中に配布する。
期末試験(70%)、授業参加度(30%)(授業参加度は授業中の小テストなどにより算出する)
応用化学系基礎専門科目(200番台〜300番台)を履修していること。または、それと同等の知識を有すること。生物無機化学特論第一を履修していることを前提に講義を行う。
skuwata[at]apc.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。