2019年度 高分子物理化学概論   Introduction to Polymer Physical Chemistry

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開講元
応用化学コース
担当教員名
古屋 秀峰 
授業形態
講義
曜日・時限(講義室)
月7-8(H112)  
クラス
-
科目コード
CAP.P433
単位数
1
開講年度
2019年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2019年3月22日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

 本講義では、「⾼分⼦」という概念の説明から始め、鎖状分⼦構造からいかに低分⼦とは異なる諸特性が発現するかを理解し、それらの測定⽅法の基礎を⾝につけるために必要な基礎的知識を提供する。また、溶液系において特に重要な溶媒との相互作⽤が⾼分⼦の構造や特性に与える 影響についても、その熱⼒学的取り扱いを解説する.さらに、代表的な高分子物質の固体状態において形成する結晶や階層構造,および相転移現象と結晶化現象に関する基礎知織を提供し、高分子固体が示す力学的、熱的、電気的,および光学的性質に関する物理化学的基礎を解説する.
 ⾼分⼦を理解するには、その特異な分⼦構造の理解が必須である。⾼分⼦は、⼀般に、低分⼦である多数の構成要素が連なって構成される鎖状分⼦であることから、分⼦内と分⼦間で低分⼦とは異なる相互作⽤が⽣じ、これが⾼分⼦の特異性の起源となっている。溶液系では これに溶媒との相互作⽤が加わるためさらに複雑となるが、⽐較的単純な熱⼒学的取り扱いによりそれらが統⼀的に説明できることを学ぶ。また、高分子物質を材料として用いるとき、その特徴的な固体構造と物性を理解することは必須である. 固体状態において高分子が形成する構造には、どのような特徴があるかを学ぶ.そして、高分子が固体状魅で示す熱的、力学的、電気的、および光学的性質が、どのように固体構造と関係しているかを学ぶ.
本コース以外の学⽣には、⾼分⼦の構造と物性の基礎について触れる機会を提供することを目的する.

到達目標

本講義は⾼分⼦科学をバックグラウンドに持たない学⽣を対象としており、⾼分⼦の構造・物性についての基礎的知識を⾝につけることを到達目標とする。
具体的には次の能⼒を修得する。
1.「⾼分⼦性」とは何かを説明できる。
2.種々の⼀次構造を説明できる。
3.排除体積効果と分⼦鎖の広がりの関係を説明できる。
4.Flory-Huggins式の意味を説明できる。
5.平均分⼦量の概念と測定法の原理を説明できる。
6.溶液物性の濃度依存性を説明できる。
7.高分子結晶の階層構造を説明できる
8.代表的な高分子の結晶構造と転移現象を説明できる
9.高分子結晶の物性と結晶化挙動を説明できる
10.融解現象とガラス転移について説明できる
11.熱的、力学的、電気的、および光学的性質の原理と現象について説明できる

キーワード

一次構造、コンフィギュレーション、コンホメーション、平均分子量(分布)、回転半径、排除体積(効果)、Flory-Huggins理論、θ温度、χパラメータ、光散乱、固有粘度、階層構造、ラメラ、球晶、ガラス転移、融解、圧電性、誘電性、複屈折、高分子結晶

学生が身につける力

国際的教養力 コミュニケーション力 専門力 課題設定力 実践力または解決力
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授業の進め方

教科書に従って授業を進める。各回とも、定められた講義範囲につき十分予習していることを前提に重要項目についての解説を中心として講義する。各講義最後の15分で小テストを行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 高分子とは何か(成り立ちと概要説明)と高分子の一次構造 ー「高分子性」の起源、高分子の種類、モノマーの結合様式、枝分かれと網目構造 低分子と高分子の本質的違い、一次構造と立体規則性の説明
第2回 高分子鎖の特性-分子鎖モデルと排除体積効果-  コンフィギュレーションとコンホメーション、理想鎖と実在鎖 排除体積効果と分子鎖の広がりの関係の説明
第3回 高分子溶液の性質 ー Flory-Huggins理論、相平衡、平均分子量との関係  高分子の溶解性を熱力学的に説明 各種平均分子量の測定原理の説明
第4回 高分子の固体構造 ー 基礎、集合体の階層構造、相転移現象 高分子結晶の階層構造の説明.代表的な高分子の結晶構造と構造相転移の説明.
第5回 高分子結晶の物性と結晶化現象 高分子結晶の力学物性と結晶化挙動の説明
第6回 高分子の熱的性質と力学的性質 高分子の融解とガラス転移の説明.高分子の粘弾性の説明.
第7回 高分子の電気的性質と光学的性質 -誘電性、圧電性、導電性、屈折率、複屈折 電気的性質と光学的性質の原理と現象の説明
第8回 総合演習+期末試験 理解度評価

教科書

基礎高分子科学(高分子学会編)ISBN978-4-8079-0635-2 第1章-5章、ストローブル「高分子の物理」(Springer)

参考書、講義資料等

現代の物理学「高分子物理・相転移ダイナミクス」(2章)(岩波)、北野博已ほか著「高分子の化学』三共出版

成績評価の基準及び方法

高分子の構造・物性について理解しているかの評価。演習(30点)+期末試験(70点)

関連する科目

  • CAP.P421 : 高分子機能解析特論
  • CAP.P422 : 高分子物性特論
  • CAP.P201 : 高分子科学
  • CAP.P221 : 高分子物理第一(溶液物性)
  • CAP.P222 : 高分子物理第二(固体構造)
  • CAP.P322 : 高分子物理第四(応用物性)

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

200番台と300番台の高分子物性関係科目を受講した学生並びに高分子科学をバックグラウンドに持つ学生は受講できない。

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