[講義の概要] 環境物質の安定同位体置換種の存在度とその変化から、その環境物質がもつ起源・反応履歴情報を詳細に解読する方法論を講述する。特に従来より用いられてきた単一同位体置換の分子レベルでの計測・解析に加えて、非質量依存同位体分別、多重同位体置換種および分子内同位体分布のような複数同位体置換に着目した分子内レベル計測・解析について原理および環境適用例を講述する。
[講義のねらい]本講義では、環境物質の起源・反応履歴情報を解読するための安定同位体分析の考え方について理解することをねらいとする。
本講義を受講することによって以下の能力を習得する。
(1) 軽元素の安定同位体置換種を用いた環境物質の循環解析について原理と実際を説明できる。
(2) 環境物質・分子の安定同位体存在度の時空間分布から,それらの前駆物質,生成・消滅過程,混合・輸送・拡散過程を演繹的に決定、あるいは推測できる。
物質循環、安定同位体置換分子
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の講義の最後に、その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。講義前に配布資料の予習をしておいてください。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 物質循環解析の基礎 | 環境物質の循環解析の考え方を理解する |
第2回 | 窒素循環 | 地球表層の窒素循環について説明できる |
第3回 | 酸素・硫黄の循環 | 地球表層の酸素・硫黄循環について説明できる |
第4回 | 水素の循環 | 地球表層の水素の循環について説明できる |
第5回 | 炭素循環 | 地球表層の炭素循環について説明できる |
第6回 | 食品化学・代謝解析 | 安定同位体が食品化学・代謝解析の研究でどのように活用されるか説明できる |
第7回 | 古環境解析 | 安定同位体が古環境解析の研究でどのように活用されるか説明できる |
第8回 | 同位体置換種を用いた循環解析の最前線 | 最新の同位体分析技術を用いた物質循環解析について理解する |
指定しない
適宜紹介する、あるいは配布する。
期末試験(50%)、演習(50%)で成績を評価する。
地球化学特論を履修していること、または同等の知識があること。