【概要】ナノ機能化学の基礎となる評価分析手法である、走査型プローブ顕微鏡と表面・界面の物性計測法を中心に、ナノスケールに至る構造の観察と物性の計測について、その原理から操作方法までを解説します。
【ねらい】プローブ顕微鏡を用いた、分子・原子のマニピュレーション(移動)や単一分子物性計測の最先端を理解することから、今までのバルク〜マクロの化学に対して新しい視点を導入することを目標とします。さらに、ナノテクノロジーの限界を理解することは、現在の科学の限界を理解することでもあり、今後の機能化学に求められることを議論します。
【達成目標】本講義を履修することによって次の能力を修得する。1) 化学物質の物性や機能発現に対して、個々の分子・原子のナノスケールから説明出来る。2) ナノスケールに至る構造と物性の最新の評価方法であるナノテクノロジー手法を理解し、またその限界を考えることから、今後の機能化学の方向性を説明出来る。
【テーマ】本講義では、ナノスケール化学の基礎となるナノテクノロジー手法を歴史的背景から説明し、それらの手法がどのような物質系に適応され、自身の研究にどのように活かされるかを理解することを目的とします。
ナノテクノロジー、走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、近接場光学顕微鏡(SNOM)、単一分子計測(SMD)、バイオインターフェース、自己組織化単分子膜(SAM)
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
基礎と応用の講義、特定な課題についてのディスカッション、また、レポートと試験の為に課題を与える。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | ナノ機能化学とナノテクノロジー | 機能物質化学におけるナノテクノロジーの歴史と現状を説明出来る |
第2回 | 走査型プローブ顕微鏡(SPM)と機能化学 | 走査型プローブ顕微鏡(SPM)と機能化学の方法論を説明出来る |
第3回 | 走査型トンネル顕微鏡(STM) | 走査型トンネル顕微鏡(STM)の原理と理論を説明出来る |
第4回 | 原子間力顕微鏡(AFM) | 原子間力顕微鏡(AFM)の原理と理論を説明出来る |
第5回 | 近接場光学顕微鏡(SNOM)とSPMの応用 | 近接場光学顕微鏡(SNOM)の原理と理論、並びにSPMの応用を説明出来る |
第6回 | 単一分子計測と分子・原子制御 | 単一分子計測と分子・原子制御の設計指針を説明出来る |
第7回 | 無機・有機・生体物質界面の制御と機能化 | バイオインターフェースの設計指針を説明出来る |
第8回 | ナノテクノロジーの限界と今後の機能化学の展望 | ナノテクノロジーの限界を理解すると共に、自身の専門分野への応用を考え、説明出来る |
未定
未定
化学物質の構造と物性のナノスケールに至る評価分析手法の理解度を評価する。中間レポート・期末試験(80%)、演習(20%)で成績を評価する。
特になし。物理化学の基礎的な知識を有することが望ましい。