本講義でははじめに分離操作の全般的基礎概念を示す。次いで11種の分離操作について順にその基礎となる平衡関係の物性値としての取り扱いすなわち推算法を述べ,それをもとにした分離プロセスの装置と仕組みを紹介する。
分離装置内の現象は複雑であるが,適切に簡略化したモデルを導出し,分離法ごとの装置設計法を習得することをねらいとする。
【到達目標】 化学プロセスで重要な分離プロセスを理解し,目的の分離に適する分離プロセスを選定する力を養う。さらに個々の分離プロセス(単位操作)について,基本的なメカニズムと実装置の設計法の基礎を習得する。
【テーマ】 本講義では,蒸留,吸収,抽出,吸着,クロマト,晶析,蒸発,調湿,膜濾過,ガス膜分離の順に各分離プロセスの基礎となる平衡関係,速度論を与え,次いで各分離プロセス特有のモデル解析を演習を通して教授する。
単位操作,蒸留,吸収,抽出,吸着,クロマト,晶析,蒸発,調湿,膜濾過,ガス膜分離
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
テキストを配布し,それに従ってすすめる。各節毎にExcel計算演習を示す。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 分離操作の基礎 | 分離操作の種類とその基礎となる平衡が説明できる |
第2回 | 蒸留(1)気液平衡,単蒸留 | 単蒸留の解析法を理解できる |
第3回 | 蒸留(2)2成分系蒸留 | 2成分系蒸留の解析法を理解できる |
第4回 | 蒸留(3)多成分系蒸留,特殊蒸留,蒸留塔の設計 | 多成分系蒸留の解析法を理解できる |
第5回 | 吸収(1)気液平衡 | 吸収平衡を説明できる |
第6回 | 吸収(2)吸収塔の高さ設計 | 吸収塔の設計法を説明できる |
第7回 | 抽出 | 抽出平衡と物質収支を理解できる |
第8回 | 吸着 | 破過曲線の原理を説明できる |
第9回 | クロマトグラフィー | クロマトグラフィーの原理を説明できる |
第10回 | 晶析・蒸発 | 多重効用蒸発の計算を説明できる |
第11回 | 調湿 | 湿球温度の原理を理解できる |
第12回 | 乾燥 | 定率乾燥と減率乾燥を説明できる |
第13回 | 膜分離(1)膜濾過 | 膜濾過の種類を説明できる |
第14回 | 膜分離(2)膜濾過モデル | 膜濾過モデルを理解できる |
第15回 | 膜分離(3)ガス分離法 | 膜モジュールモデル計算を説明できる |
自作資料による
伊東 章著『ベーシック分離工学』化学同人
各分離プロセス特有の概念,物性値,モデル,設計法についての理解度を評価する。期末試験(75%), 演習(25%)で成績を評価する。
なし