2017年度 高分子物理概論第一 B   Introduction to Polymer Physics I B

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開講元
応用化学コース
担当教員名
今岡 享稔  長井 圭治 
授業形態
講義
メディア利用
 
曜日・時限(講義室)
月5-6(G114)  
クラス
B
科目コード
CAP.T402
単位数
1
開講年度
2017年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2017年4月13日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 本講義では,「高分子」という概念の説明から始め、鎖状分子構造からいかに低分子とは異なる諸特性が発現するかを理解し、それらの測定方法の基礎を身につけるために必要な基礎的知識を提供する。また、溶液系において特に重要な溶媒との相互作用が高分子の構造や特性に与える影響についても、その熱力学的取り扱いを解説し、高分子電解質やゲルなどの関連分野の理解を助ける。本コース以外の学生には、高分子の基本構造と溶液およびゲル物性の基礎について触れる機会を提供することを目的する。
 高分子を理解するには、その特異な分子構造の理解が必須である。すなわち,高分子は一般に、低分子である多数の構成要素が連なって構成される鎖状分子であることから、分子内と分子間で低分子とは異なる相互作用が生じ、これが高分子の特異性の起源となっている。溶液系ではこれに溶媒との相互作用が加わるためさらに複雑となるが、比較的単純な熱力学的取り扱いによりそれらが統一的に説明できることを学ぶ。このように本講義では、理論的取り扱いの助けを借りて、溶液中で高分子鎖はどのような形態をとりどのような性質を示すか、それはどのような相互作用によっているかについて学ぶ。

到達目標

本講義は高分子科学をバックグラウンドに持たない学生を対象としており、高分子物理のうち特に溶液物性についての基礎的知識を身につけることを到達目標とする。具体的には次の能力を修得する。
1.「高分子性」とは何かを説明できる。
2.種々の一次構造を説明できる。
3.排除体積効果と分子鎖の広がりの関係を説明できる。
4.Flory-Huggins式の意味を説明できる。
5.平均分子量の概念と測定法の原理を説明できる。
6.溶液物性の濃度依存性を説明できる。
7.対イオン結合現象を説明できる。
8.ゲルの膨潤理論を溶液理論との関係で説明できる。

キーワード

一次構造、コンフィギュレーション、コンホメーション、平均分子量(分布)、回転半径、排除体積(効果)、Flory-Huggins理論、θ温度、χパラメータ、光散乱、固有粘度、対イオン結合、ゲル(の膨潤)

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

教科書に従って授業を進める。各回とも、定められた講義範囲につき十分予習していることを前提に重要項目についての解説を中心として講義する。各講義最後の15分で解答(解説)も含めて小テストを行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 高分子とは何か-成り立ちと概要説明-  「高分子性」の起源、高分子の種類 低分子と高分子の本質的違いの説明
第2回 高分子の構造-一次構造と分子量-  モノマーの結合様式、枝分かれと網目構造 一次構造と立体規則性の説明
第3回 高分子鎖の特性-分子鎖モデルと排除体積効果-  コンフィギュレーションとコンホメーション、理想鎖と実在鎖 排除体積効果と分子鎖の広がりの関係の説明
第4回 溶液中の高分子-熱力学的取り扱い-  Flory-Huggins理論、相平衡 高分子の溶解性を熱力学的に説明
第5回 高分子溶液の特性解析-粘度と光散乱-  各種測定原理、平均分子量との関係 各種平均分子量の測定原理の説明
第6回 高分子濃厚溶液とブレンド  準希薄溶液と濃厚溶液、多成分系の相溶性 分子間相互作用の濃度依存性と、相溶条件の説明
第7回 高分子電解質と高分子ゲル  高分子電解質の種類と対イオン結合、ゲルの膨潤理論 対イオン結合理論と、ゲルの膨潤理論の説明
第8回 総合演習+期末試験

教科書

基礎高分子科学(高分子学会編)ISBN978-4-8079-0635-2 第1章-3章+5章第6節

参考書、講義資料等

現代の物理学「高分子物理・相転移ダイナミクス」(2章)(岩波)、ストローブル「高分子の物理」(3章)(Springer)(これら参照箇所については、参考資料を随時配布)

成績評価の基準及び方法

鎖状高分子の溶液物性を分子内および分子間相互作用の観点で理解しているかについて評価。毎回の小テスト(30点)+期末試験(70点)

関連する科目

  • CAP.P421 : 高分子物性特論第一
  • CAP.P423 : 高分子構造特論第一
  • CAP.I539 : 先進高分子材料特論第一
  • CAP.P422 : 高分子物性特論第二
  • CAP.P424 : 高分子構造特論第二
  • CAP.I549 : 先進高分子材料特論第二

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

200番台と300番台の高分子物性関係科目を受講した学生並びに高分子科学をバックグラウンドに持つ学生は受講できない。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

今岡享稔 :E-mail:timaoka[at]res.titech.ac.jp
長井 圭治:E-mail:nagai.k.ae[at]m.titech.ac.jp
佐藤満:E-mail: msatoh[at]polymer.titech.ac.jp, Tel: 03-5734-2133

オフィスアワー

今岡享稔:メールで事前予約すること。
長井圭治:メールで事前予約すること。
佐藤満:12:15-13:00

その他

本講義は、大岡山およびすずかけ台キャンパスで同時開講される。

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