本講義は,エネルギーコースのエネルギー学理講義群で開講される選択科目の1つであり,一般財団法人「経済広報センター」の寄附講義として開講され,日本を代表し,また世界でも活躍している産業界のトップ,研究開発部門のエキスパートの方々を講師として,「エネルギー・環境技術の最先端と将来展望」について講述する。講師との対話を重視し,各回の講義では質疑応答の時間を長く確保して,受講生の理解と意識向上の深化に資するものとする。
大学院学生に産業界の最前線の情報を提供しつつ,グローバルな視点を有する優れた人材を育成することを目的に開講し,産業界あるいは企業と大学との接点を見出しそれぞれが描く将来展望のすりあわせを図ることを期待している。また研究開発や教育等で,世界的な活躍が期待される,またそのような意欲に燃えた受講生にとって,将来本講義で習得した高度な専門知識が生かされることを期待している。
各回の講義ごとにエネルギー・環境技術に関するタイムリーな内容が提供されるので,その内容に関する最新状況や課題の把握,また問題意識の向上に努め,毎回提出が求められる「講義ノート」に受講生各自がまとめることで,学修の定着度を自ら確認・評価できることを到達目標とする。
エネルギー科学技術,環境科学技術,資源有効利用,低炭素社会,企業の取り組みと社会経済
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
すずかけ台キャンパスと大岡山キャンパス間で遠隔講義システムを使い同時に行う。講師は,すずかけ台キャンパスと大岡山キャンパスを概ね交互に来学する。また,講義内容をよりタイムリーなものとするため,講師も含めて毎年見直す。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス(東京工業大学 奥野喜裕/経済広報センター 佐桑徹) | エネルギー・環境技術の重要性,社会が求める科学技術と理系人間に関する理解 |
第2回 | 石油資源の活用とエネルギー・環境政策(石油連盟 三浦安史) | 石油資源の活用とエネルギー・環境政策に関する最新状況の把握と問題意識が説明できる。 |
第3回 | 太陽光発電システム導入の現状と将来展望(シャープ(株)奈須野善之) | 太陽光発電システムに関する最新の開発状況と課題が説明できる。 |
第4回 | 自動車業界におけるエネルギー・環境先端技術(トヨタ自動車(株)茂木和久) | 自動車業界におけるエネルギー・環境先端技術に関する最新の状況と課題が説明できる。 |
第5回 | 発電用ガスタービンの技術開発の現状と展望(三菱日立パワーシステムズ(株)正田淳一郎) | 発電用ガスタービンの技術開発に関する最新の開発状況と課題が説明できる。 |
第6回 | 鉄鋼業界におけるエネルギー・環境先端技術と地球温暖化対策(JFEスチール(株)手塚宏之) | 鉄鋼業界におけるエネルギー・環境先端技術に関する最新の状況と課題が説明できる。 |
第7回 | 浮体式洋上風力発電の現状と課題(戸田建設(株)佐藤 郁) | 浮体式洋上風力発電に関する最新の開発状況と課題が説明できる。 |
第8回 | 燃料電池やICTを活用したエネルギー高度利用技術(東京ガス(株)穴水 孝) | 燃料電池やそのシステムに関する最新の開発状況と課題が説明できる。 |
第9回 | 二酸化炭素の回収・貯留技術の現状と展望(日揮(株)熊谷 司) | 酸化炭素の回収・貯留技術に関する最新の開発状況と課題が説明できる。 |
第10回 | 航空業界におけるエネルギー・環境先端技術(ANAホールディングス(株)久野正雄) | 航空業界におけるエネルギー・環境先端技術に関する最新の状況と課題が説明できる。 |
第11回 | 原子力発電の現状及び先進的原子力発電への展望((株)東芝 市川長佳) | 原子力発電に関する最新の状況と課題が説明できる。 |
第12回 | 地熱発電の現状と展望(三菱マテリアル(株)加藤久遠) | 地熱発電に関する最新の開発状況と課題が説明できる。 |
第13回 | 電力システム改革と今後の電気事業((一財)電力中央研究所 服部徹) | 電力システム改革と今後の電気事業に関する最新状況の把握と問題意識が説明できる。 |
第14回 | 2050年に向けたエネルギーシナリオと変革の切り口((株)ユニバーサルエネルギー研究所 金田武司) | 未来のエネルギーシステムへの展開と課題が説明できる。 |
第15回 | まとめと総復習(東京工業大学 奥野喜裕) | 講義全体を通しての理解度確認と到達度自己評価 |
指定なし
各回の講義資料をpdf版にて東工大OCW-i に掲載するので,必ず事前に各自確認し,印刷して持参するか,PC等にダウンロードして持参すること。また講義当日に講義室にて資料を配付する場合もある。
第1日目の講義(ガイダンス)で説明するが,出席状況に加え,毎回の講義において,理解度を確認するために,講義内容や講師との質疑応答,あるいは講師からの課題等を記述して提出された「講義ノート」(毎回配付・回収)により評価する。
履修の条件を設けない
奥野喜裕 okuno.y.aa[at]m.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。