2022年度 高分子化学第四(架橋反応)   Polymer Chemistry IV (Crosslinking Reactions)

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開講元
応用化学系
担当教員名
斎藤 礼子 
授業形態
講義    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
水3-4(W621)  
クラス
-
科目コード
CAP.P312
単位数
1
開講年度
2022年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2022年3月16日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

高分子において,架橋反応は架橋体(ゲル)を合成する重要な反応です。ゲルは不溶・不融であり,膨潤等,特異な挙動を示す重要な高分子ですが,合成条件により,その特性を大きく変化させることができます。実際には,高分子から合成するのか,低分子から合成するのか,など様々な合成経路が存在しますが,それぞれ,反応の設計指針が大きく異なります。さらに,どの反応時点からゲルができるのかや,合成できたゲルの特性と反応との関係の理解します。具体的な講義項目は,低分子による高分子の架橋,高分子による高分子の架橋,低分子の反応によるゲルの合成,ゲル化理論,ゲルの膨潤挙動などです。

本講義では,高分子の低分子による架橋反応,高分子-高分子の反応による架橋反応,モノマーから直接ゲルを合成する方法を反応および,反応理論(Floryのゲル化理論とCarothersのゲル化理論)の考え方を理解し,高分子の合成に応用するための基礎を築くことを目的とします。さらに,架橋体(ゲル)の膨潤挙動を熱力学的に理解し,架橋反応との関係から,ゲルおよびゲル化の扱い方の基礎を理解し身につけます。

到達目標

 本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)高分子の架橋反応を理解し、説明できる。
2)架橋反応によって合成されるゲルの特性を理解できる。
3)架橋反応とゲルの特性の関係を考えることができる。
4)ゲル化点を理論的に予測し、実際のゲルの合成方法を設計できる。

キーワード

架橋反応、ゲル、ゲル化点、高分子複合体、膨潤

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。
各回の授業内容をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 ゲルとはなにか ゲルを説明する、ゲルを分類する
第2回 低分子による高分子の架橋反応(高分子と低分子でゲルを作る) 低分子架橋剤を用いゲルを設計する
第3回 高分子による高分子の架橋反応(高分子と高分子でゲルを作る) 高分子複合体を説明する
第4回 モノマーの重合時の架橋反応(モノマーから直接ゲルを作る) ゲルの合成方法を理解する、r1,r2からゲルの特性を予測する
第5回 架橋反応の理論(FloryとCarothersのゲル化理論)(どこからゲルか) FloryとCarothersの理論に基づき、ゲル化点を予測する
第6回 ゲルの膨潤挙動 ゲルの膨潤挙動を熱力学的に理解する。
第7回 まとめと試験 全体の内容をまとめ、その後試験する。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

高分子学会編「基礎高分子科学 第二版」東京化学同人 

参考書、講義資料等

Odian "Principales of polymerization" Wiley ISBN-13: 978-8126513918,
中濱精一ほか 「エッセンシャル高分子科学」 講談社サイエンティフィク ISBN-10: 406153310X,
高分子学会編「高分子科学の基礎」東京化学同人 ISBN-10: 4807904051

成績評価の基準及び方法

架橋反応の設計方法,ゲルの特性と反応の関係の考え方,ゲル化点の計算法及びそれらの応用に関する理解度を評価する。期末試験(80%),演習(20%)で成績を評価する。

関連する科目

  • CAP.P211 : 高分子化学第一(逐次重合)
  • CAP.P212 : 高分子化学第二(連鎖重合)
  • CAP.P311 : 高分子化学第三(高分子反応)

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修は必ずしも必要ではないが、以下の科目の知識を有することが望ましい。高分子化学第一~第三、有機化学第一~第三、高分子物性、高分子構造、物理化学(熱力学)

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