本講義では,移動現象のひとつである熱移動に関し,伝導,対流,放射について,それぞれその基礎を学習します。ここでは,それぞれの機構を説明すると共に,その機構による熱移動速度や空間・時間に対する温度変化の推算方法を学習します。また同時に複数の機構が関わる複雑な熱移動も学習し,熱移動現象の基礎を築きます。
化学プロセスには必ず熱移動を伴うため,プロセスを扱う技術者・研究者は熱移動現象の理解が必要です。この講義では,3つの熱移動現象の基礎の修得をねらいとします。
化学工学が対象とする種々の移動現象のうち、熱移動に関し、3つの熱移動機構、すなわち伝導、対流、放射について,その基礎を理解すると共に、3つの熱移動機構による熱移動速度や空間・時間に対する温度変化を推算できる能力を習得することを到達目標とします。
熱移動、伝導,対流,放射
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義の前半は内容の説明で,後半には,その日の講義内容に関する演習問題に取り組んでもらいます.各回の授業スケジュールを各自確認し,課題を予習・復習で行って下さい.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 熱移動現象の基礎 | 熱移動現象の概要が理解できる。 |
第2回 | 定常熱伝導 | 定常熱伝導による熱移動の考え方を理解できる。 |
第3回 | 熱抵抗と非定常熱伝導 | と熱抵抗の考え方を理解し、非定常熱伝導による温度の時間および空間変化を推算できる |
第4回 | 熱伝導促進(フィン)、対流伝熱の基礎 | フィンによる熱移動の促進を評価できる。また対流伝熱の考え方を理解できる。 |
第5回 | 強制対流伝熱と自然対流伝熱 | 強制対流伝熱および自然対流伝熱による熱移動を推算できる。 |
第6回 | 放射伝熱の基礎 | 放射伝熱の考え方を理解できる。 |
第7回 | 複合伝熱 | 複合伝熱による熱移動を推算できる。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
吉川史郎著 『ベーシック移動現象論』 化学同人 ISBN-13: 978-4759815917
化学工学または伝熱工学というタイトルのついた書籍全般。 また、適宜、資料を配付する。
伝導,対流,放射の3つの熱移動機構の理解度や,熱移動速度や空間・時間に対する温度変化の推算能力を評価します。成績評価は期末試験ならびに講義中に出題する課題・演習によって行います。
履修条件は特に設けないが,関連する科目を履修していることが望ましい.