「概要」 化学工学とは、化学プロセスを構成する一連の機器(反応装置や分離装置等)を合理的に設計し、適切な条件で運転操作するための基礎理論の研究と応用を目的とする学問です。また、化学プロセスにおいて、反応器から得られる生成物の分離・濃縮は最終製品を得る上で重要な操作です。本講義では、化学プロセスにおいて代表的な分離操作である蒸留、液液抽出、ガス吸収操作、さらには調湿および乾燥操作について、その分離の基本原理いついて説明するとともに、それらの分離装置の基本的な設計法および操作法について解説します。
「ねらい」 分離の原理を理解するとともに分離装置の基本的な設計法の習得。
【到達目標】 本講義を履修することにより、化学プロセス(特に石油化学プロセス)で用いられている代表的な分離操作の基本原理とその基本的な設計および操作方法を理解できるようになることを到達目標とします。 【テーマ】 化学プロセス(特に石油化学プロセス)における代表的な分離操作である、蒸留、液液抽出、ガス吸収、調湿および乾燥について、それらの分離の原理を理解し、分離装置の基本的な設計法、更には操作法の基礎を身につけることを、本講義のテーマとします。
蒸留、ガス吸収、液液抽出、調湿、乾燥、分離工学
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義の前半あるいは後半において、授業内容の理解を深めるために演習問題に取り組んでもらいます。各回の授業計画を確認し、課題を予習・復習で行ってください。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 気液平衡の推算,単蒸留とフラッシュ蒸留 | 気液平衡の推算法を理解できる。 |
第2回 | 精留塔による2成分系蒸留とその設計法 | McCabe-Thiele法を理解できる。 |
第3回 | 液液平衡と液液抽出操作 | 液液平衡と抽出操作を理解できる。 |
第4回 | ガスの溶解度と充てん塔を用いたガス吸収 | ヘンリーの法則とガス吸収操作を理解できる。 |
第5回 | 総括物質移動係数と充てん塔を用いたガス吸収装置の設計法 | 境膜理論、物質移動係数、および吸収塔の設計法を理解できる。 |
第6回 | 調湿の基礎 | 湿度図表を理解できる。 |
第7回 | 乾燥の基礎 | 乾燥速度曲線を理解できる。 |
第8回 | 期末試験 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
自作の資料を配布
必要に応じ講義開始時に資料を配布し、Power pointを用いた解説を行う。講義で使用するPower pointファイルは事前にOCWを介して開示する。
授業中に行う演習と期末試験の成績で評価を行う。
化学熱力学基礎、物理化学第二を履修、あるいは同程度の知識を有していることが望ましい。
itaniguc[at]chemeng.titech.ac.jp
講義終了後、またはメールで事前予約し、各教員の教員室で質問に応じる。