[講義の概要] 本講義では、遷移金属錯体の反応に関する基礎を講義する。遷移金属錯体の反応形式を解説し、遷移金属錯体が関与する触媒反応の機構について述べる。
[講義のねらい] 金属錯体の反応化学は、無機化学分野において主要な役割を果たす。錯体反応の基礎原理を学ぶことにより、学生は、無機化学を触媒化学や有機合成化学と関連づけて考える能力を身につける。本講義では、遷移金属錯体の反応に関する基礎原理を講義する。さらに、遷移金属錯体の反応が触媒反応サイクルに組み込まれることを解説する。
本講義を履修することによって次の能力を習得する。
1) 金属錯体の反応形式について系統的に説明できる。
2) 基本的な金属錯体触媒反応の機構を理解し説明できる。
金属錯体、配位子置換反応、トランス効果、電子移動反応、酸化的付加、還元的脱離、挿入反応、均一触媒、不均一触媒
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
本講義は、(1)配位子置換反応、(2)酸化還元、(3)有機金属錯体の反応、の順番で進める。最終回に、理解度確認のための演習と解説を実施する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 配位子置換反応 | 配位子置換反応の基本原理について説明できる。 |
第2回 | 配位子置換反応の機構 | 配位子置換反応の機構について理解できる。 |
第3回 | 金属錯体の酸化還元反応 | 金属錯体の酸化還元反応の基本原理を理解できる。 |
第4回 | 有機金属錯体の配位構造 | 有機金属錯体の配位構造を理解できる。 |
第5回 | 有機金属錯体の反応形式 | 酸化的付加、還元的脱離、挿入を含む主要な有機金属錯体反応の形式を説明できる。 |
第6回 | 均一触媒の機構 | 主要な均一触媒の反応機構を理解できる。 |
第7回 | 不均一触媒の機構 | 主要な不均一触媒の反応機構を理解できる。 |
第8回 | 理解度確認のための演習と解説 | 演習により総合的な理解度を高め,到達度を自己評価する。 |
P. Atkins, T. Overton, J. Rourke, M. Weller, F. Armstrong著、田中、高橋、安部、平尾、北川 訳「シュライバー・アトキンス無機化学(上・下)」第6版(東京化学同人)ISBN: 978-4-8079-0898-1(上)、978-4-8079-0899-8(下)
講義資料は講義中に配布するとともにOCW-iにアップロードする。
期末試験(85%)と授業参加度(15%)(授業参加度は授業での小テストなどにより算出する)。
履修条件は設けない。無機化学第一(結合論)(CAP.B221)、無機化学第二(反応と構造)(CAP.B222)、無機化学(元素と化合物)(CAP.B224)、無機化学(材料科学)(CAP.B223)、無機化学(固体化学)(CAP.A275)、無機化学(理論1)(CAP.A371)、無機化学(理論2)(CAP.A372)、触媒プロセス化学第一(CAP.A354)、触媒プロセス化学第二(CAP.A355)を履修していることが望ましい。
村橋哲郎 mura[at]apc.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。