2017年度 応用化学実験第二a/b   Chemical Engineering and Industrial Chemistry Laboratory II a/b

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開講元
応用化学系
担当教員名
石曽根 隆  大塚 英幸  大友 明  鈴木 榮一  村橋 哲郎  髙尾 俊郎 
授業形態
    
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
木5-8(W4-201,301実験室)  金5-8(W4-201,301実験室)  
クラス
-
科目コード
CAP.B203
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2017年3月23日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

[実験の概要] 本実験では、応用化学実験第一a/bならびに応用化学実験第一b/aを履修してきた学生を対象に、化学実験の基本操作を教授し、有機化学、無機化学、分析化学に対する理解と実験操作の技量を養う。実践的な化学工業教育の観点から3つのテーマを設定する。「有機化合物の合成I:ブチルイソプロピルエーテルの合成」では、有機反応の基本である求核置換反応を学ぶ。また、「有機化合物の合成II:アルデヒド・ケトンの判別と求核付加反応」では、代表的な有機金属化合物であるGrignard試薬を用いた反応を学ぶ。さらに、「ε-カプロラクタム」では代表的な合成繊維であるナイロンの製法を学ぶ。
[実験のねらい] 基礎化学と物質社会のつながりを理解するには、実際に合成反応を操作し、分析と総合を通じて得られた結果を深く考察することが必須である。それには、基本操作を確実に習得し、反応原理と安全面を理解した上で実験に臨まなければならない。本実験では、まず講義と演示実験で基本操作の要点を学ぶ。その後、3つのテーマを実施しながら基本操作を実践する。基礎知識と実践的な思考力をテストで問い、テーマ毎に実験レポートを作成することで、正しい合成・分析方法を習得させるとともに考察力を養う。

到達目標

本実験を履修することによって、
(1) 濾過、洗浄、乾燥、減圧蒸留などの基礎的な実験操作を種々の反応単位に適用できる。
(2) 実験結果、考察、調査した内容を一般的なレポートの形にまとめることができる。
(3) 各テーマに関係した歴史的な背景や実用材料について説明できる。
(4) これらの実験から系統的な知識を習得し、安全で生産的な化学実験計画を立案できる。

キーワード

(有機化合物の合成I) 求核置換反応、脱離反応、Williamsonエーテル合成
(有機化合物の合成 II) 求核付加、還元、官能基判別、有機金属化学、ガスクロマトグラフィー
(ε-カプロラクタム)オキシム化、ベックマン転位、再結晶、開環重合、6-ナイロン

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

本実験では、まず全ての学生が(1)演示実験を先に行います。その後、3グループに分かれて、(2)ブチルイソプロピルエーテルの合成、(3)アルデヒド・ケトンの判別と求核付加反応、(4)ε-カプロラクタムの実験を、グループ分けに従って順番に進めます。最終回に、理解度確認のための演習と解説を実施します。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 概要・基本操作の説明 実験の概要と基本操作を理解し、実験計画を立案することができる。
第2回 基本操作の演示実験 実験の概要と基本操作を理解し、実験計画を立案することができる。
第3回 有機化合物の合成I:ハロゲン化反応・水蒸気蒸留 アルコールのハロゲン化反応と水蒸気蒸留の操作を習得できる。
第4回 有機化合物の合成I:ハロゲン化反応・分離精製 有機ハロゲン化物の蒸留操作とガスクロマトグラフィー分析を習得できる。
第5回 有機化合物の合成I:エーテル合成 Williamsonエーテル合成を実施し、それらの実験操作を習得できる。
第6回 有機化合物の合成I:エーテル合成・分離精製 粗エーテル生成物を蒸留、分析し、本求核置換反応について考察できる。
第7回 有機化合物の合成II:カルボニル官能基の判別 カルボニル官能基を同定できるようになる。
第8回 有機化合物の合成II:求核付加反応・還元 ヒドリド試薬によるアルコールの合成ができるようになる。
第9回 有機化合物の合成II:減圧蒸留・化合物分析 減圧蒸留による単離精製と合成物の分析ができるようになる。
第10回 有機化合物の合成II:求核付加反応・有機金属化学序論 Grignard試薬によるアルコールの合成ができるようになる。
第11回 ε-カプロラクタム:求核付加反応 カルボニル化合物からオキシムの合成ができるようになる。
第12回 ε-カプロラクタム:転位反応 オキシムのベックマン転位によってアミドの合成ができるようになる。
第13回 ε-カプロラクタム:再結晶 モノマーを再結晶により精製できる。
第14回 ε-カプロラクタム:開環重合 開環重合によりナイロン6を調製できる。
第15回 まとめ理解度確認のための演習と解説 演習により総合的な理解度を高め,到達度を自己評価する。

教科書

応用化学実験委員会編 『応用化学実験第二テキスト 2016』初回ガイダンスにおいて配布する。

参考書、講義資料等

化学同人編集部著 『続 実験を安全に行うために―基本操作・基本測定編―』 第4版(化学同人)ISBN: 978-4-7598-1834-5

成績評価の基準及び方法

レポート評価合計(83%)とテスト(17%)で基本操作と各実験テーマの理解度を評価する。
遅刻や課題の未提出を繰り返した場合は不合格とすることがある。

関連する科目

  • CAP.B201 : 応用化学実験第一a/b
  • CAP.B202 : 応用化学実験第一b/a
  • CAP.B204 : 応用化学実験第二b/a

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

この科目は,「応用化学実験第二b/a」の「履修前提科目」である。

応用化学実験第一a/b(CAP.B201.R)と応用化学実験第一b/a(CAP.B202.R)を履修しているか、それと同等の知識を有していること。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

石曽根 隆: tishizon[at]polymer.titech.ac.jp
大塚 英幸: otsuka[at]polymer.titech.ac.jp
大友 明: aohtomo[at]apc.titech.ac.jp
村橋 哲郎: mura[at]apc.titech.ac.jp
伊藤 繫和: ito.s.ao[at]m.titech.ac.jp
鈴木 榮一: esuzuki.e.ac[at]m.titech.ac.jp
大石 理貴: moishi[at]o.cc.titech.ac.jp
澤田 敏樹: tsawada[at]polymer.titech.ac.jp
後関 頼太: rgoseki[at]polymer.titech.ac.jp
吉松 公平: k-yoshi[at]apc.titech.ac.jp

オフィスアワー

メールで事前予約すること。

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