2017年度 応用化学実験第一a/b   Chemical Engineering and Industrial Chemistry Laboratory I a/b

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開講元
応用化学系
担当教員名
大河内 美奈  青木 才子  安藤 慎治  久保内 昌敏  川内 進  下山 裕介  谷口 泉 
授業形態
    
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
木5-8(W4-201, 301)  金5-8(W4-201, 301)  
クラス
-
科目コード
CAP.B201
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2017年3月27日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

[実験の概要] 本実験では、応用化学系の学生を対象として物理化学実験、分析化学実験の基本操作を教授する。これらの分野に関する3つの実験テーマを設定する。「分光学の基礎」では、代表的な分光法についてその原理と結果の解釈を学ぶ。また「溶液の熱力学的取り扱い」では、固液平衡と凝固点降下について学ぶ。さらに「相分離」では、アミン水溶液、ポリマー水溶液の物理化学について学ぶ。また、実験レポートの書き方についても講述する。
[実験のねらい] 物理化学の基礎概念を理解するには、実際に測定を行い、データの解析により得られた結果を深く考察することが必須である。本実験ではまず、そのために必要な基本操作、基礎知識とともに実験レポートの書き方を講述する。その後3つの実験を通して、測定技術、データ解析能力、レポート作成能力を養う。

到達目標

本実験を履修することによって、
(1) 物理化学、分析化学一般の基礎概念を修得できる。
(2) 物理化学実験に、分析化学実験に必要な基礎的技術を修得できる。
(3) 実験レポートの書き方を修得できる。

キーワード

(分光学の基礎)分光学的方法、振動回転スペクトル、赤外吸収スペクトル、原子スペクトル、発光スペクトル
(溶液の熱力学的取り扱い)固液平衡、凝固点測定
(相分離)相律と相図、相分離、相平衡

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

本実験ではまず(1) 第1回のガイダンスで詳しい説明を行う。その後、3グループに分かれて、(2) 分光学の基礎、(3) 溶液の熱力学的取り扱い、(4) 相分離の実験を、グループ分けに従って順番に進める。最終回に、理解度確認のための演習と解説を実施する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 概要・基本操作の説明 実験の概要と基本操作を理解し、実験計画を立案することができる。
第2回 実験レポートの書き方について 実験レポートを標準的な書き方で作成することができる。
第3回 分光学の基礎①:2原子分子の振動回転スペクトル 2原子分子の振動回転スペクトルと分子構造の関係を説明できる。
第4回 分光学の基礎②:赤外吸収スペクトル測定 ハロゲン化水素、一酸化炭素などの振動回転スペクトルの測定と、分子の結合距離、バネ定数の計算ができる。
第5回 分光学の基礎③:水素原子スペクトル 水素原子の発光スペクトルとその量子状態の関係を説明できる。
第6回 分光学の基礎④:水素原子の発光スペクトル測定 水素放電管によって水素原子の発光スペクトルの測定し、水素原子の量子状態を決定できる。
第7回 溶液の熱力学的取り扱い①:固液平衡の理論 熱力学関係式を用いた固液平衡の理論について説明できる。
第8回 溶液の熱力学的取り扱い②:純溶媒(シクロヘキサン)の凝固点測定 純溶媒の凝固点の測定原理・測定法を説明できる。
第9回 溶液の熱力学的取り扱い③:凝固点測定データの解析 冷却曲線データを用いて純溶媒と混合系の凝固点を決定できる。
第10回 溶液の熱力学的取り扱い④:未知試料の凝固点の測定による分子量の推定 混合溶液の凝固点測定データをもとに、溶液中の未知試料を推定できる。
第11回 相分離①:Gibbsの相律と相図 Gibbsの相律と相図、特に、液体二成分系の相図について説明できる。.
第12回 相分離②:トリエチルアミン-水系の相分離現象の測定 液体二成分系であるトリエチルアミン-水混合系の相分離現象を評価できる。
第13回 相分離③:高分子溶液の性質と相平衡 高分子溶液の性質と相平衡、特に、高分子-水系の相平衡について説明できる。
第14回 相分離④:ポリマー水溶液の相分離現象の測定 高分子ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)-水系の相分離現象を評価できる。
第15回 まとめ理解度確認のための演習と解説 演習により総合的な理解度を高め,到達度を自己評価する。

教科書

応用化学実験委員会編 『応用化学実験第一テキスト2016-2017』初回ガイダンスにおいて配布する。

参考書、講義資料等

P. Atkins, J. de Paula著、千原、中村 訳「アトキンス物理化学(下)」第8版(東京化学同人)ISBN-13: 978-4807906963

成績評価の基準及び方法

レポート評価合計(83%)とテスト(17%)で基本操作と各実験テーマの理解度を評価する。
遅刻や課題の未提出を繰り返した場合は不合格とすることがある。

関連する科目

  • CAP.B202 : 応用化学実験第一b/a
  • CAP.B203 : 応用化学実験第二a/b
  • CAP.B204 : 応用化学実験第二b/a

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

この科目は,「応用化学実験第一b/a」の「履修前提科目」である。

物質理工学院応用化学系の所属学生であること。または、応用化学実験委員会が別途、指定した条件を満たしていること。

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