[講義の概要] 複雑な分子骨格構築に極めて重要な「カルボニルα置換反応」および「カルボニル縮合反応」と、ヘテロ原子を含む化合物群に特有な性質を理解するために、「アミンと複素環」について解説する。また、ペリ環状反応についても述べる。
[講義のねらい] カルボニル基が複雑な分子骨格を与える大きな要因の一つは、α位の水素原子の特性である。本講義では、「エノール」と「エノラートイオン」の性質と反応機構を理解し、炭素・炭素形成反応を設計できる能力を養う。また、有用な化合物の多くに含まれる、アミンと複素環の構造と反応を理解する。さらに、軌道相互作用によって制御される分子変換反応について学ぶ。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
(1)エノールとエノラートイオンの生成と性質を理解できる。
(2)カルボニルα置換および縮合反応の機構を理解し、ほしい化合物の合成法を考えることができる。
(3)アミンの性質を理解し、様々な反応への利用を考えることができるようになる。
(4)複素環の構造と性質を理解し、合成と反応を説明できるようになる。
(5)分子軌道を用いて反応を説明できるようになる。
カルボニルα置換反応、カルボニル縮合反応、アミン、複素環化合物、ペリ環状反応、有機合成化学
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
本講義は、(1)カルボニルα置換反応、(2)カルボニル縮合反応、(3)アミン・複素環化合物、(4)ペリ環状反応、の順番で進める。そして最終回に、理解度確認のための演習と解説を実施する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | エノールとエノラートイオン | エノールとエノラートイオンについて説明できるようになる。 |
第2回 | カルボニルα置換反応 | カルボニルα置換反応について説明できるようになる。 |
第3回 | アルドール反応 | アルドール反応について説明できるようになる。 |
第4回 | クライゼン縮合、マイケル反応 | クライゼン縮合とマイケル反応について説明できるようになる。 |
第5回 | アミンと複素環の合成 | アミンと複素環の合成について説明できるようになる。 |
第6回 | アミンと複素環の反応 | アミンと複素環の反応について説明できるようになる。 |
第7回 | ペリ環状反応 | ペリ環状反応について説明できるようなる。 |
第8回 | 理解度確認のための演習と解説 | 第1~7回の講義内容を正確に理解し、演習問 題に解答できる。 |
マクマリー有機化学(中)第8版(東京化学同人)ISBN-13: 978-4807908103
マクマリー有機化学(下)第8版(東京化学同人)ISBN-13: 978-4807908110
マクマリー有機化学 問題の解き方(第8版)英語版(東京化学同人)ISBN-13: 978-4807908066
理解度確認のための演習(90%)、授業参加度(10%)(授業参加度は授業での討論、小テストなどにより算出する)
履修の条件は設けないが、有機化学第一(アルカン)(応用化学)、有機化学第二(アルケン)、有機化学第三(芳香族)、有機化学第四(求核置換反応)、有機化学第五(カルボニル化合物)を履修していることが望ましい。
ttakata[at]polymer.titech.ac.jp (高田十志和)
ito.s.ao[at]m.titech.ac.jp(伊藤繁和)
メールで事前予約すること。