化学プロセスは,反応装置と分離装置から構成されており,反応装置は化学プロセスの中心に位置する重要な装置である。反応工学第二では,反応装置内での不均一な現象,すなわち非等温系,および反応装置内に気体、液体、固体のうち二相以上が含まれる不均一反応系を取り扱う。
不均一反応系では発熱・吸熱反応が進行し系内が非等温系になる。先ず,反応器内の熱収支と物質収支から,非等温系反応器の設計法を理解する。次いで,気固触媒反応,気固反応,気液固反応において,反応物質の拡散現象と反応現象を速度論の観点から理解し,律速段階の決定法を学ぶ。最終的には,装置内の温度分布を考慮した反応器設計法を習得する。
本講義を履修することにより,以下の知識と能力を習得する。
1) 反応器内の熱収支と物質収支を理解できる
2) 気固触媒反応を理解できる
3) 気固反応を理解できる
4) 気液反応と気液固触媒反応を理解できる
5) 非等温系反応器を設計できる
物質収支,熱収支,反応速度,化学反応,触媒反応,反応装置設計
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の講義の前半で前回のまとめを行う。講義内容の確実な理解と応用力を養うために,講義内容に関した演習を行うと共に,レポートを課す。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 非等温系反応器の設計 | 熱収支と物質収支,回分式反応器を理解できる |
第2回 | 非等温系反応器の設計 | 非等温系流通式反応器を設計できる |
第3回 | 気固触媒反応 | 触媒細孔内における物質収支,反応速度と拡散速度を理解できる |
第4回 | 気固触媒反応 | 気固触媒反応,触媒有効係数と律速段階を理解できる |
第5回 | 気固反応 | 気固反応,未反応核モデルを理解できる |
第6回 | 気液反応と気液固触媒反応 | 物理吸収,反応吸収,気液固反応を理解できる |
第7回 | 不均一系反応器設計 | 固定床,流動床式反応器を設計できる |
第8回 | 総合演習 | 各反応器に対する物質収支と設計方程式の導出,反応器設計の演習 |
橋本健治著『反応工学』培風館
講義資料は講義中に配布する
授業毎の課題(15%),レポート(15%),期末試験(70%)にて評価する.
化学プロセス量論(C205.R)と反応工学第一(C206.R)を履修していること,もしくは同等の知識があること