2016年度 エネルギー・資源変換化学第三(光エネルギー変換)   Energy and Resource Conversion Chemistry III (Photoenergy Conversion)

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開講元
応用化学系
担当教員名
和田 雄二 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火1-2(S422)  
クラス
-
科目コード
CAP.A353
単位数
1
開講年度
2016年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2016年4月27日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

[講義の概要]本講義では、光の物質による吸収の結果生成する励起状態からの電荷分離とその光エネルギー変換への応用技術を解説する。光エネルギー利用技術に関する研究開発を行うためには、物質と光の相互作用の理解が必須である。光触媒、太陽電池という重要な光エネルギー変換系の両者に共通の鍵となる光励起状態緩和過程制御の妙味を味わっていただきたい。
[講義のねらい]石油、原子力に依存する現在のエネルギー供給を将来、再生可能なエネルギーに置き換えてゆくためには、太陽光を化学エネルギーあるいは電気エネルギーに高効率に変換するシステムが必須である。エネルギー問題解決のシナリオのひとつとして、太陽光エネルギー変換技術の基礎となる知識を獲得し、その動作機構等を理解することが必須であり,それらについて自分の言葉で語ることができるようになってほしい。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
(1)「分子の光化学初期過程」について説明できる。
(2)「半導体の光吸収と励起エネルギー緩和過程」について説明できる。
(3)「分子あるいは半導体による光誘起電子移動」について説明できる。
(4)「光触媒、太陽電池の種類とそれぞれの動作機構、ならびに特長」について説明できる。

キーワード

化合物半導体、光誘起電荷分離、光触媒、人工光合成

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

(1)毎回授業の最初に前回で解説した重要な事項の復習解説をします。
(2)数回の授業ごとに、理解度を確認するための小テストを行います。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 電磁波としての光(光エネルギーの基礎物理)と物質と電磁波の相互作用(光の吸収と励起エネルギー緩和) 光と分子あるいは半導体との相互作用について概説できる。光誘起電荷分離の重要性について説明できる。
第2回 種々の太陽光変換システムの基礎 光触媒,太陽電池等,太陽光エネルギー変換システムについて概説できる。
第3回 光触媒の基礎 その1 (半導体光触媒の作用機構) 無機化合物半導体光触媒について説明できる。
第4回 光触媒の基礎 その2 (多様な固体光触媒系と応用例) 種々の光触媒系の特徴と応用例を説明できる。
第5回 光触媒の基礎 その3 (錯体光触媒の作用機構) 錯体光触媒の作用機構について説明できる。
第6回 太陽電池の基礎 その1 (シリコンを代表とする半導体固体太陽電池) シリコン太陽電池の動作機構と特徴を説明できる。
第7回 太陽電池の基礎 その2 (有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池) 有機薄膜太陽電池および色素増感太陽電池の動作機構と特徴を説明できる。
第8回 光エネルギー変換における化学の役割 光エネルギー変換における化学の役割について説明できる。全7回の内容に関する問題に解答する。

教科書

触媒・光触媒の科学入門、山下弘巳・田中庸裕・三宅孝典・西山覚・古南博・八尋秀典・窪田好浩・玉置純、講談社サイエンティフィク

参考書、講義資料等

新しい工業化学、足立吟也・岩倉千秋・馬場章夫、化学同人;環境触媒、日本表面科学会、共立出版;触媒・光触媒の科学入門、山下弘巳・田中庸裕・三宅孝典・西山覚・古南博・八尋秀典・窪田好浩・玉置純、講談社サイエンティフィク

成績評価の基準及び方法

(1)期末試験(85%)、授業参加度(15%)
(2)到達目標 1) 30点, 2) 30点, 3) 20点, 4) 20点で評価する。
(3)授業参加度は授業での討論、小テストなどで算出する。
(4)全授業出席が原則である。

関連する科目

  • CAP.B216 : 物理化学第一(熱力学法則)
  • CAP.B217 : 物理化学第二(化学平衡)
  • CAP.B218 : 物理化学第三(反応速度論)
  • CAP.A351 : エネルギー・資源変換化学第一(炭化水素変換)
  • CAP.A352 : エネルギー・資源変換化学第二(化学エネルギー変換)

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修の条件は設けないが、物理化学第一、物理化学第二、物理化学第三を履修していることが望ましい。

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