2016年度 触媒プロセス化学第一(不均一系)   Chemistry of Catalytic Processes I (Heterogeneous)

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開講元
応用化学系
担当教員名
和田 雄二 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
金1-2(S421)  
クラス
-
科目コード
CAP.A354
単位数
1
開講年度
2016年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2016年4月27日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

[講義の概要]本講義では、固体触媒理解に必要な基礎的な知識を述べ、石炭,石油,天然ガスを原料とする基幹化学品の工業製造プロセスを概説する。すなわち、石油精製、石油改質、種々の部分酸化プロセス(ワッカー酸化、酸化エチレン合成、酸化プロピレン合成、アクロレイン・アクリロニトリル合成、フェノール合成、テレフタル酸、ε—カプロラクタム合成等)を具体的に解説する。実際に稼働している化学プロセスがいかに社会に役立っているかを理解してほしい。
[講義のねらい]物質を生産する化学工業プロセスのほとんどは触媒を用いている。触媒を用いた化学プロセスが、社会に役立つ化学技術の基盤であることを把握することによって、次世代の新しい物質製造プロセス開発研究に取り組むための基礎知識と応用展開力を身に付ける。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
(1)「表面化学の基礎的な概念」について説明できる。
(2)「触媒化学の基本的な術語」を使った教科書、解説、論文が理解できる。
(3)「石油精製、改質プロセス」について説明できる。
(4)「種々の部分酸化プロセス」について説明できる。

キーワード

触媒作用、固体触媒、触媒プロセス、石油改質、環境触媒

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

(1)毎回授業の最初に前回で解説した重要な事項の復習解説をします。
(2)数回の授業ごとに、理解度を確認するための小テストを行います。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 固体触媒の基礎(固体表面の化学、吸着現象) 固体表面化学の基礎と吸着現象について説明できる。
第2回 石油精製と固体触媒 石油改質プロセスにおける固体触媒の役割について概説できる。
第3回 固体酸(石油改質における二元機能触媒のはたらき) 二元機能触媒がどのようなものか,その石油改質プロセスにおける役割について説明できる。
第4回 金属触媒-還元反応(水素還元触媒反応) 金属触媒の還元触媒作用について説明できる。
第5回 金属酸化物触媒-選択的酸化反応 その1(酸化エチレン、酸化プロピレン製造触媒) 酸化エチレンと酸化プロピレンを合成する固体触媒の違いをそれぞれの触媒反応機構に基づいて説明できる。
第6回 金属酸化物触媒-選択的酸化反応 その2(アリル酸化触媒、Bi-Mo触媒) アリル酸化反応の代表的な触媒と反応機構に基づいて説明できる。
第7回 環境触媒・光触媒(水・空気浄化、自動車排ガス浄化触媒、人工光合成) 光触媒,自動車排ガス浄化触媒について概説し,将来展望について意見を述べることができる。
第8回 進化する固体触媒-触媒設計(テイラーメード触媒設計技術) 触媒設計の概念について説明できる。全7回の内容に関する問題に解答できる。

教科書

新しい触媒化学、服部英・多田旭男・菊地英一・瀬川幸一・射水雄三、三共出版、ISBN-13: 978-4782706886

参考書、講義資料等

新しい工業化学、足立吟也・岩倉千秋・馬場章夫、化学同人、ISBN-13: 9784759809558
環境触媒、日本表面科学会、共立出版、ISBN-13: 9784320088610
触媒・光触媒の科学入門、山下弘巳・田中庸裕・三宅孝典・西山覚・古南博・八尋秀典・窪田好浩・玉置純、講談社サイエンティフィク、ISBN-13: 9784061543478

成績評価の基準及び方法

(1)期末試験 (85%)、授業参加度 (15%)
(2)到達目標 1) 30点, 2) 30点, 3) 20点, 4) 20点で評価する。
(3)授業参加度は授業での討論、小テストなどで算出する。
(4)全授業出席が原則である。

関連する科目

  • CAP.B216 : 物理化学第一(熱力学法則)
  • CAP.B217 : 物理化学第二(化学平衡)
  • CAP.B218 : 物理化学第三(反応速度論)
  • CAP.A355 : 触媒プロセス化学第二(均一系)
  • CHM.B533 : 固体触媒化学特論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修の条件は設けないが、物理化学第一、物理化学第二、物理化学第三を履修していることが望ましい。

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