[講義の概要]本講義では、まず有機構造の基礎である化学結合を解説します。続いて、立体化学、パイ共役と芳香族性、反応性中間体について講述します。
[講義のねらい] 医薬品や生理活性物質、電子材料などに使われる有機化合物が示す機能性にはそれなりの理由があります。本講義では、これまでの有機化学を復習しつつ、機能性をもつ有機化合物を設計・開発するためのより高度な能力を養います。
本講義を履修することによって次の能力を習得する。
(1)様々な化学結合の特徴を説明できるようになる。
(2)有機分子の立体構造をより深く理解できるようになる。
(3)パイ電子の非局在性や芳香族性を説明できるようになる。
(4)カチオン、アニオン、ラジカル、カルベンの化学を説明できるようになる。
化学結合、立体化学、パイ共役、芳香族性、反応性中間体
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
本講義は、(1)化学結合、(2)立体化学、(3)パイ共役と芳香族性、(4)反応性中間体、の順番で進める。そして最終回に、理解度確認のための演習と解説を実施する。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 化学結合 | 化学結合の基本を説明できるようになる。 |
第2回 | 化学結合と分子歪み | 化学結合と分子歪みを説明できるようになる。 |
第3回 | 立体化学 | 有機分子の立体化学をより詳しく説明できるようになる。 |
第4回 | パイ共役と芳香族性 1 | パイ共役と芳香族性について説明できるようになる。 |
第5回 | パイ共役と芳香族性 2 | 様々な芳香族化合物について説明できるようになる。 |
第6回 | 反応性中間体 | 有機合成や機能性材料にも重要な反応性中間体について説明できるようになる。 |
第7回 | 理解度確認のための演習と解説 | 第1~6回の講義内容を正確に理解し、演習問 題に解答できる。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし。
朝倉化学大系4 構造有機化学(朝倉書店)ISBN 978-4-254-14634-9
マクマリー有機化学(下)第9版(東京化学同人)ISBN 978-4-8079-09148
理解度確認のための演習(90%)、授業参加度(10%)(授業参加度は授業での討論、小テストなどにより算出する)
履修の条件は設けないが、有機化学第一(アルカン)(応用化学)、有機化学第二(アルケン)、有機化学第三(芳香族)、有機化学第四(求核置換反応)、有機化学第五(カルボニル化合物)を履修していることが望ましい。
ito.s.ao[at]m.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。