2022年度 移動速度論−運動量と熱の流れ−   Transport Phenomena at High Temperature - Momentum and Heat Flow -

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開講元
材料コース
担当教員名
林 幸  河村 憲一  須佐 匡裕  小林 能直  上田 光敏 
授業形態
講義    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4  
クラス
-
科目コード
MAT.M426
単位数
1
開講年度
2022年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2022年4月6日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

本講義では,移動速度論の中で,特に材料工学と密接な関係にある運動量と熱の流れについて解説する。まず運動量流束とエネルギー流束(熱伝導・対流・輻射)を物質流束と対比させながら概説する。運動量の流れについては,ニュートンの粘性の式、ナビエ・ストークスの式を解説し,層流・定常状態における流束分布や壁に作用するせん断応力の計算手法の基礎を提供する。また,レイノルズ数等無次元数について,及び粘度と物質の構造との関係について解説する。伝導伝熱について,フーリエの熱伝導の式,伝熱係数、熱伝導度と物質の構造との関係について解説する。輻射伝熱では,固体表面からの熱放射,黒体,放射率等について説明し,空間を隔てた2つの固体表面間の熱移動についての計算手法の基礎を提供する。
 

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)物質、運動量、エネルギー流束の類似性が理解できる。
2)層流における流束分布が計算できる。
3)伝導伝熱による固体内の温度分布が計算できる。
4)輻射熱流束が計算できる。

キーワード

物質流束,運動量流束,エネルギー流束,定常,非定常,粘度,熱伝導度,伝熱係数,放射率

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回の講義の前半で,復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説します。講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 流束の定義:物質流束・運動量流束・熱流束の類似性、層流と乱流、定常と非定常 物質流束の計算方法
第2回 ニュートンの粘性の式:運動量流束と運動量保存則 運動量保存則より速度分布の計算方法
第3回 ナビエ・ストークスの式とその無次元化:レイノルズ数と摩擦係数、次元解析、Buckinghamのπ定理 レイノルズ数と摩擦係数を用いた平均流束の計算
第4回 粘度の測定方法:スラグ融体の構造と粘度 円筒回転法の原理の理解
第5回 フーリエの熱伝導の式:熱流束、金属・セラミックス・多相構造・スラグ融体の熱伝導度 エネルギー収支式より温度分布の計算方法
第6回 見かけの熱移動:対流、伝熱係数 対流と熱伝導による伝熱による温度分布の計算方法
第7回 輻射伝熱:固体表面からの熱放射、黒体、放射率 空間を隔てた2つの表面間の熱移動の計算方法

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

講義資料を配布する

参考書、講義資料等

R. Byron Bird, Warren E. Stewart and Edwin N. Lightfoot, 『Transport Phenomena』 John Wiley&Sons, Inc., ISBN: 0-471-41077-2

成績評価の基準及び方法

運動量流束・エネルギー流束の考え方。計算法及びそれらの応用について,その理解度を評価
配点は,中間試験・期末試験(70%),演習(30%)

関連する科目

  • MAT.M318 : 移動速度論
  • MAT.M203 : 化学反応動力学(M)
  • MAT.A204 : 材料熱力学
  • MAT.M207 : 金属の状態図と相安定
  • MAT.M304 : 結晶成長と組織形成

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

化学反応動力学(MAT.M203),金属物理化学(MAT.M302)を履修していること,または同等の知識があること。

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