2020年度 金属の信頼性と耐久性   Reliability and Durability of Metals and Alloys

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開講元
材料コース
担当教員名
小林 郁夫  小林 覚  熊井 真次 
授業形態
講義    (Zoom)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月3-4(Zoom)  木3-4(Zoom)  
クラス
-
科目コード
MAT.M412
単位数
2
開講年度
2020年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2020年9月28日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

自動車、航空機等の構造材料や火力発電プラントの高温構造材料などにおいては、長期間の使用に耐える金属材料の信頼性と耐久性が重要となる。本講義では、金属材料の破壊事例を紹介し、破壊の起こり方について学ぶ。次いで信頼性の観点から、破壊力学の観点から材料の破壊を科学的に理解する。さらに耐久性の観点から、金属材料における最も重要な二つの破壊現象である、疲労破壊とクリープ変形について理解する。特に疲労破壊に関しては、S-N曲線や疲労き裂の発生と伝播挙動について、クリープ変形に関しては、種々の高温変形機構について理解し、高温における材料強化法を学ぶ。

到達目標

金属材料の信頼性と耐久性評価の重要性について学び、続いて破壊力学の観点から材料の特性、特に破壊靱性から材料の信頼性について理解する。実際の金属材料を使用する際、耐久性の観点からもっとも重要な破壊様式である疲労破壊と高温クリープ変形に関する理解を深め、最終的には金属材料を構造用材料として使用する際の材料設計、材料選定、材料評価法を学ぶ。

キーワード

クリープ変形、強化機構、組織劣化、耐熱合金/耐熱鋼

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業では、演習問題を交えて、金属材料の破壊事例、破壊現象ならびに破壊力学、破壊靱性、疲労及び高温クリープ変形の基礎を学んでいく。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 金属の信頼性と耐久性(総論) 金属材料の破壊現象と破壊様式 金属の信頼性と耐久性について概観し,破壊現象と破壊様式について理解する。
第2回 金属疲労:S-N曲線と疲労限 S-N曲線と疲労限について理解する。
第3回 疲労き裂の発生と成長 疲労き裂の発生と成長について理解する。
第4回 疲労寿命予測 疲労寿命予測について理解する。
第5回 破壊力学の基礎Ⅰ(き裂の力学) 破壊力学の基礎Ⅰ(き裂の力学)について理解する。
第6回 破壊力学の基礎Ⅱ(破壊力学のパラメータ) 破壊力学の基礎Ⅱ(破壊力学のパラメータ)について理解する。
第7回 破壊靭性とその評価法 破壊靭性とその評価法について理解する。
第8回 理解度確認1 総合演習 金属の破壊と疲労について理解する。
第9回 クリープ変形とクリープ強度、許容応力とクリープ試験 クリープ変形、強度とその試験方法および高温材料における許容応力について理解する。
第10回 高温変形機構 種々の高温変形機構について理解する。
第11回 転位クリープ機構 I(現象論と素過程) 転位クリープ機構の現象論と素過程について理解する。
第12回 転位クリープ機構 II(強化機構) 転位クリープ機構における種々の強化機構について理解する。
第13回 クリープ強度組織関係と耐熱合金の設計 クリープ強度組織関係と耐熱合金の設計方法について理解する。
第14回 理解度確認2 総合演習 クリープと高温変形について理解する。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特になし。 

参考書、講義資料等

材料強度学:加藤雅治・熊井真次・尾中晋(朝倉書店)、破壊事故―失敗知識の活用―:小林英男(共立出版)、Introductino to creep: R.W. Evans, B. Wilshire (Maney Pub)

成績評価の基準及び方法

課題と理解度確認テストを総合して評価する。
60点以上を合格とする。

関連する科目

  • MAT.M303 : 格子欠陥と転位

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

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