2019年度 量子統計力学   Quantum Statistical Mechanics

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開講元
材料コース
担当教員名
中辻 寬  梶原 正憲  合田 義弘 
授業形態
講義
メディア利用
 
曜日・時限(講義室)
火1-2(J234)  金1-2(J234)  
クラス
-
科目コード
MAT.M408
単位数
2
開講年度
2019年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2019年3月18日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

統計力学の理解に必要な量子力学の基礎について復習する。また,Boltzmannの関係式に基づき,Lagrangeの未定乗数法を用いて,小正準集合の分配関数を求める数学的な手法について説明する。さらに,正準集合や大正準集合に対する分配関数とHelmholtzエネルギーやグランドポテンシャルの関係について解説する。
これらを用いて,格子振動,電子,磁気スピン等に起因するエントロピーを評価し,EinsteinモデルやDebye モデルにより定積比熱を解析的に記述する方法について学習する。これに対し,Fermi系やBose系の特徴を議論することにより,統計力学におけるPauliの排他律に対する理解を深める。

到達目標

・熱力学と統計力学の関係に対する量子力学の役割を理解する。
・小正準集合・正準集合・大正準集合の違いを理解する。
・構成粒子が区別できる集合と区別できない集合に対する分配関数の違いを理解する。
・スピンによって量子力学的粒子の統計性が決定されることを理解する。
・Pauliの排他律に基づき,Fermi粒子とBose粒子の特性を理解する。

キーワード

Boltzmannの原理,分配関数,生成消滅演算子,Debye模型,Fermi粒子,Bose粒子

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義に加えて,理解度を確認するために,演習問題を課す。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 状態ベクトルと演算子 Hilbert 空間と物理量である演算子の期待値に関して理解する。
第2回 正準交換関係 不確定原理を交換関係から理解する。
第3回 角運動量とスピン 角運動量の理論を理解する。
第4回 Boltzmannの関係式とLagrangeの未定乗数法 Boltzmannの関係式に基づき,分配関数をLagrangeの未定乗数法を用いて導く方法を理解する。
第5回 分配関数と熱力学関数 分配関数を用いて,内部エネルギー,Helmholtzエネルギーおよびエントロピーを導出する。
第6回 ゆらぎと応答関数 Legendre変換やゆらぎと応答関数の関係を理解する。
第7回 生成消滅演算子 量子力学における生成消滅演算子を理解する。
第8回 Einsteinの比熱モデル 量子調和振動子を理解し,Einsteinモデルを用いて固体の定積比熱を記述する解析式を導出する。
第9回 Debyeの比熱モデル Debyeモデルを用いて固体の定積比熱を導出する。また,EinsteinモデルとDebyeモデルの違いを理解する。
第10回 完全気体 完全気体の分配関数を導出する。
第11回 Fermi粒子 Fermi-Dirac統計と自由電子気体について説明する。
第12回 Bose粒子 Bose-Einstein統計とBose-Einstein凝縮について説明する。
第13回 局在スピン系の磁化 局在スピン系についての分配関数から,定積比熱や磁化を導出する。
第14回 平均場近似と相転移 Heisenberg模型の平均場近似と相転移のLandau理論について理解する。
第15回 気体の相平衡と溶体モデル 質量作用の法則,Clausius-Clapeyronの式,配置のエントロピーおよび溶解度ギャップを理解する。

教科書

配布プリント

参考書、講義資料等

サクライ「現代の量子力学」,キッテル「熱物理学」,ラシブルック「統計力学」など

成績評価の基準及び方法

演習,中間試験および期末試験の総合得点により評価する。その際,100点満点の総合得点の60点以上を合格とする。

関連する科目

  • MAT.M407 : 固体物理特論
  • MAT.M409 : 相平衡の熱力学
  • MAT.M411 : 金属の相変態と組織制御
  • MAT.C406 : 磁気物性特論
  • MAT.C414 : 固体科学入門

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

なし。

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