溶融成形プロセスにおける高分子の高次構造発現につき、溶融紡糸過程を中心に詳述する。
分子配向と結晶化を中心とする高次構造形成論。
有機材料は、分子設計により新規高性能材料を創製することができるのと同時に、分子の空間的な配列を制御することによって、さらに高い自由度で性能や機能を高めることができるため、高次構造制御の手段としての溶融成形プロセスの理解が極めて重要である。本講義では、高分子材料を対象とし、溶融成形プロセスの流動場で材料が受ける温度・応力履歴と分子配向、結晶化による高次構造形成との関係にについて習得することを目的とする。
高分子材料、溶融成形、応力-光学則、結晶化動力学
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
本講義は2クォーターに渡って開講される。有機材料加工Aでは、高分子材料の溶融成形の定式化について学び、有機材料加工Bでは、溶融成形プロセスで高分子材料の高次構造形成機構について学ぶ。二つの講義の内容は密接に関連しており、両方の講義を履修することが望ましい。
講義は板書により行うが、理解を助けるため、適宜、パワーポイントファイル、ビデオなどを用いる。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 有機材料加工Aの復習 | 成形加工と高次構造形成の関係 |
第2回 | 溶融紡糸過程の理論解析-定常状態と非定常状態 | 移動現象論の基礎 |
第3回 | 高分子材料の成形加工における高次構造形成-分子配向と結晶化 | 高次構造形成の基礎概念 |
第4回 | 分子配向形成と応力-光学則 | 応力-光学係数と高分子構造の関係 |
第5回 | 高分子結晶の形態学 | 折り畳み鎖結晶、球晶、繊維構造 |
第6回 | 高分子結晶の結晶化速度論、分子配向の影響 | 冷却過程の結晶化の動力学 |
第7回 | 成形加工プロセスと高次構造形成の相互依存性 | 高次構造形成に伴う発熱と流動性変化 |
第8回 | さまざまな成形プロセス中の高次構造形成 | フィルム成形、ブロー成形、射出成形 |
特になし
OCW-iに公開
レポート
特になし
教授 鞠谷雄士: kikutani.t.aa[at]m.titech.ac.jp