2019年度 固体物理特論 a   Advanced Solid State Physics a

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開講元
材料コース
担当教員名
中辻 寬  合田 義弘 
授業形態
講義
曜日・時限(講義室)
月3-4(J234)  木3-4(J234)  
クラス
a
科目コード
MAT.M407
単位数
2
開講年度
2019年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2019年3月18日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

物質科学の最も基礎となる電子論を中心に固体物理の基礎を講義する。まず、固体の電子状態を記述するバンド理論を基礎から講義する。その最も単純かつ有用な取扱いとして、"ほとんど自由な電子"モデルと、"強結合近似"の方法を紹介する。最新の非経験的電子状態理論およびその数値シミュレーションへの適用にも触れる。電子がFermi粒子である事による交換効果を記述するHartree-Fock近似を講義した後、相関効果と呼ばれる交換効果以外の多体効果を取り入れる波動関数理論と密度汎関数理論を紹介する。
これらの内容に基づき、低次元物質系や金属材料組織界面などへの適用例を議論する事により理解を深める。

到達目標

・固体の性質を微視的に決定しているのは電子状態である事を理解する。
・最も単純な遍歴電子系である自由電子金属状態を理解する。
・固体結晶の電子状態がBloch状態となる事を理解する。
・電子間にはCoulomb反発エネルギーを下げるために多体効果が働いている事を理解する。
・相互作用している電子状態を非経験的に記述する第一原理電子状態理論の概要を理解する。

キーワード

結晶構造、逆格子、Brillouinゾーン、電子バンド構造、ほとんど自由な電子モデル、強結合近似、フォノン、第一原理電子状態理論、Born-Oppenheimer近似、Hartree-Fock近似、密度汎関数理論

学生が身につける力

国際的教養力 コミュニケーション力 専門力 課題設定力 実践力または解決力
- - -

授業の進め方

毎回ではないが、講義の始めに、復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説します。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 Fermi-Dirac統計と自由電子ガス Fermi-Dirac統計のもとで、自由電子ガスのエネルギーを導出する。
第2回 空間対称性と結晶構造 ブラベー格子と、主要な結晶構造を説明する。
第3回 逆格子とBrillouinゾーン 実格子から逆格子ベクトルを計算し、ブリルアンゾーンを描く。
第4回 Blochの定理 結晶格子内の価電子の波動関数がBlochの定理に従うことを理解する。
第5回 ほとんど自由な電子 ほとんど自由な電子(NFE)モデルと、バンドギャップの起因について説明する。
第6回 Fermi面 フェルミ面の形状と、結晶構造・電子状態との関連を理解する。
第7回 強結合近似、低次元系とナノ材料 強結合近似について説明する。さらに、低次元物質の電子状態をNFEモデルや強結合近似を用いて記述する方法を理解する。
第8回 第7回までのまとめと演習 第1回から第7回までの理解度確認と到達度自己評価。
第9回 構造相転移 構造相転移と自由エネルギーについて理解する。
第10回 Bose-Einstein統計とフォノン フォノンのBose-Einstein統計による記述を理解する。
第11回 Born-Oppenheimer近似 Born-Oppenheimer近似を理解する。
第12回 Hartree-Fock近似 Hartree-Fock近似と波動関数理論について理解する。
第13回 密度汎関数理論 密度汎関数理論について理解する。
第14回 第一原理電子状態理論の応用I: 金属強磁性 金属強磁性への適用例を通して第一原理計算の有用性を理解する。
第15回 第一原理電子状態理論の応用II: 磁性材料 磁性材料への適用例を通して第一原理計算の有用性を理解する。

教科書

必要に応じて教員作成の講義テキストを用いる。

参考書、講義資料等

キッテル「固体物理学入門」、
R.M. マーチン「物質の電子状態」、
押山淳他「計算科学3 - 計算と物質」

成績評価の基準及び方法

試験により評価する。

関連する科目

  • MAT.M408 : 量子統計力学
  • MAT.M409 : 相平衡の熱力学
  • MAT.C406 : 磁気物性特論
  • MAT.C505 : 計算材料学特論
  • MAT.C414 : 固体科学入門

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

量子力学の基礎を修得済であることが望ましい。

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