2019年度 金属の信頼性と耐久性   Reliability and Durability of Metals and Alloys

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
材料コース
担当教員名
小林 郁夫  小林 覚  熊井 真次 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月3-4(S8-501)  木3-4(S8-501)  
クラス
-
科目コード
MAT.M412
単位数
2
開講年度
2019年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2019年3月18日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

自動車、航空機等の構造材料や火力発電プラントの高温構造材料などにおいては、長期間の使用に耐える金属材料の信頼性と耐久性が重要となる。本講義では、金属材料の破壊事例を紹介し、破壊の起こり方について学ぶ。次いで信頼性の観点から、破壊力学の観点から材料の破壊を科学的に理解する。さらに耐久性の観点から、金属材料における最も重要な二つの破壊現象である、疲労破壊とクリープ変形について理解する。特に疲労破壊に関しては、S-N曲線や疲労き裂の発生と伝播挙動について、クリープ変形に関しては、種々の高温変形機構について理解し、高温における材料強化法を学ぶ。

到達目標

金属材料の信頼性と耐久性評価の重要性について学び、続いて破壊力学の観点から材料の特性、特に破壊靱性から材料の信頼性について理解する。実際の金属材料を使用する際、耐久性の観点からもっとも重要な破壊様式である疲労破壊と高温クリープ変形に関する理解を深め、最終的には金属材料を構造用材料として使用する際の材料設計、材料選定、材料評価法を学ぶ。

キーワード

クリープ変形、強化機構、組織劣化、耐熱合金/耐熱鋼

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業では、演習問題を交えて、金属材料の破壊事例、破壊現象ならびに破壊力学、破壊靱性、疲労及び高温クリープ変形の基礎を学んでいく。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 金属材料の破壊と破壊事故
第2回 金属材料の破壊現象と破壊様式
第3回 破壊力学の基礎Ⅰ(き裂の力学)
第4回 破壊力学の基礎Ⅱ(破壊力学のパラメータ)
第5回 破壊靭性とその評価法
第6回 金属疲労:S-N曲線と疲労限
第7回 疲労き裂の発生と成長
第8回 疲労寿命予測
第9回 理解度確認 総合演習
第10回 クリープ変形とクリープ強度、許容応力とクリープ試験 クリープ変形、強度とその試験方法および高温材料にケル許容応力について理解する。
第11回 高温変形機構 種々の高温変形機構について理解する。
第12回 転位クリープ機構 I(現象論と素過程) 転位クリープ機構の現象論と素過程について理解する。
第13回 転位クリープ機構 II(強化機構) 転位クリープ機構における種々の強化機構について理解する。
第14回 クリープ強度と微細組織の関係 クリープ強度に影響を及ぼす種々の組織因子について理解する。
第15回 耐熱合金の組織設計原理 クリープ強度を向上させるために組織設計原理について理解する。

教科書

特になし。 

参考書、講義資料等

材料強度学:加藤雅治・熊井真次・尾中晋(朝倉書店)、破壊事故―失敗知識の活用―:小林英男(共立出版)、Introductino to creep: R.W. Evans, B. Wilshire (Maney Pub)

成績評価の基準及び方法

理解度確認 総合演習(30%)と期末試験70%)を総合して評価する。
60点以上を合格とする。

関連する科目

  • MAT.M303 : 格子欠陥と転位

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

このページのトップへ