2016年度 量子光物性特論   Quantum Physics in Optical Response of Materials

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
材料コース
担当教員名
中村 一隆 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月1-2(G111)  木1-2(G111)  
クラス
-
科目コード
MAT.C402
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2016年4月27日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

本授業では、物質および光の量子状態を状態ベクトルで表し、量子状態の時間発展を記述するシュレディンガー表示、ハイゼンベルグ表示、相互作用表示について学びます。そのあと、光と物質の相互作用について線形である光吸収放出過程を学びます。さらに、量子光学などで重要であるコヒーレント状態について学びます。また最新の研究の例として、コヒーレントフォノン計測と光を用いた量子状態のコヒーレント制御について紹介します。

光と物質の相互作用に関する量子力学的な記述と計算方法を修得することを講義のねらいとします。

到達目標

【到達目標】 本講義を履修することによって、量子力学に基づいた物質の状態とその時間発展を記述の仕方を理解し、振動電磁場である光との相互作用による状態変化の量子論的取扱い方を理解することを目標とします。さらに、この取扱い方法を、光を用いた物性評価および制御に応用できるようになることを目標とします。
【テーマ】 本講義では,物質の状態および光との相互作用を量子力学を用いて記述し、光を用いた物性研究をミクロな立場から理解することをテーマとします。特に、量子系の時間発展と振動電場との相互作用に注目します。

キーワード

量子力学、光物性、レーザー

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回の授業で出席を取ります。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 状態ベクトル 状態ペクトルを用いて量子力学的な系を記述できるようになる。
第2回 物理量と演算子 物理量と演算子との関係性を学ぶ。
第3回 時間依存のシュレディンガー方程式 量子力学的系の運動方程式を学ぶ。
第4回 時間発展演算子 状態ベクトルの時間発展を記述する方法を学ぶ。
第5回 相互作用表示 時間依存した相互作用がある場合の系の時間発展の方法を学ぶ。
第6回 光吸収過程 時間依存摂動計算を用いて線形吸収過程を記述できるようになる。
第7回 調和振動子と生成消滅演算子 調和振動子のハミルトニアンを生成消滅演算子を用いて記述できるようになる。
第8回 数状態の時間発展 調和振動子の固有状態である数状態を求め、その重ね合わせ状態の時間発展について学ぶ。
第9回 コヒーレント状態 コヒーレント状態の定義および性質について学ぶ。
第10回 フォノンのコヒーレント制御 光パルスを用いたフォノンのコヒーレント制御に関する最新の研究を学ぶ。
第11回 密度演算子 密度演算子を用いた系の記述の方法を学ぶ。
第12回 マスター方程式 密度演算子の時間発展に関するマスター方程式について学ぶ。
第13回 光ブロッホ方程式 光と物質の相互作用の過渡的過程を光ブロッホ方程式を用いて理解する。
第14回 位相緩和 光励起状態の緩和過程について学ぶ。
第15回 量子光物性の理解度の確認と解説 この授業を通して、量子光物性をどの程度理解できたかを確認する。

教科書

以下の参考書のいずれかを参照のこと。

参考書、講義資料等

"Introductory Quantum Optics" by C.C. Gerry and P.L. Knight (Cambridge University Press, 2005) ISBN 978-0-521-52735-4
"Modern Quantum Mechnics" by J.J. Sakurai and J.J. Napolitano (Pearson Education Limited 2014) ISBN 10:1-292-02410-0

成績評価の基準及び方法

物質の量子状態の時間発展と光との相互作用についての理解度を評価する。期末テストで成績を評価する。

関連する科目

  • MAT.A203 : 材料量子力学
  • PHY.Q435 : 量子情報

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

学部授業で「量子力学」および「量子化学」に関連した授業を履修していることが望ましい。

このページのトップへ