2019年度 原子炉物理・放射線計測実験   Nuclear Reactor Physics and Radiation Measurement Laboratory

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開講元
原子核工学コース
担当教員名
小原 徹  小栗 慶之  片渕 竜也  小林 能直  石塚 知香子  西山 潤 
授業形態
    
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
木5-8(原講571, North No.2, 5F-571)  
クラス
-
科目コード
NCL.N410
単位数
2
開講年度
2019年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2019年3月18日
講義資料更新日
2019年8月1日
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

[概要] 実験は、京都大学原子炉実験所臨界集合体(KUCA)等を用い合宿により集中的に行うことを基本とする。実験では、軽水減速炉心を用い、臨界近接実験、制御棒校正実験等を行うことを基本とする。実験に並行して原子炉の運転実習、原子炉点検の実習等も行う。
放射線計測実験では放射線計測器と関連機器に関する技術を習得する。

[ねらい] 原子炉物理学の基礎理論と実際の原子炉施設の安全管理の考え方等を理解することは原子力の安全な利用を担う上で必要不可欠である。本科目では、実験を行うことにより原子炉物理学の基礎理論の理解を深め、原子炉の安全管理の考え方等を実習を通じて理解することを目的としている。
放射線計測実験では,放射線検出器の動作原理と操作技術を習得することを目的とする。

到達目標

本科目を履修することにより次のことが可能となる。
1.臨界近接実験、制御棒校正実験の原理が説明できる。
2.原子力施設での基礎的な安全管理が実践できる。
3.群定数を用いた臨界計算を行うことができる。
4.原子炉動特性理論が説明できる。
5.放射線・物質相互作用に基き放射線検出器の動作原理について説明できる。
6.マルチチャンネル波高分析器による放射線のエネルギースペクトル測定の原理について説明できる。
7.シンチレーション式ガンマ線検出器を用いて放射能の絶対測定ができる。
8.ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線エネルギースペクトル測定により,未知放射性核種の同定ができる.

キーワード

原子炉物理学、臨界実験、臨界計算、臨界近接実験、原子炉動特性
放射線・物質相互作用、シンチレーション検出器、ゲルマニウム半導体検出器、マルチチャンネル波高分析器、エネルギースペクトル

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

実験内容の理解のため実験に先立ち事前講義を行う。事前講義では、実験装置の概要、実験の原理、実験手順について解説を行い、あらかじめ与えられた課題に対し各自事前レポートを提出する。実験では、グループごとに測定・解析を行う。実験レポートは、各自がまとめ提出する。
放射線計測実験については,実験レポート提出でなく,筆記試験を行う.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 1.臨界近接実験  2.ペリオド法及び補償法実験 3.ロッドドロップ法実験 4.原子炉運転実習 5. シンチレーション検出器によるガンマ線計測 6. ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線計測 1.臨界近接実験の原理について説明でき、臨界計算ができる。さらに逆増倍率曲線から臨界量の推定及び臨界の判定ができる。 2.ペリオド法と補償法の実験結果から制御棒価値が計算できる。 3.ロッドドロップ法の実験結果から制御棒価値が計算できる。 4.原子炉の運転の基礎について説明できる。 5. シンチレーション式ガンマ線検出器を用いて放射能の絶対測定ができる。 6.ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線エネルギースペクトル測定により,未知放射性核種の同定ができる.

教科書

三澤毅、宇根崎博信、卞哲浩著、「原子炉物理学実験」京都大学出版会 (2010) 
Tsuyosi Misawa, Hironobu Unesaki, Cheolho Pyen, ”Nuclear Reactor Physics Experiments”, Kyoto University Press (2010).

参考書、講義資料等

John R. Lamarsh, “Introduction to Nuclear Reactor Theory”, Addison-Wesley Publishing Company, Inc. (1965).
(邦訳:ラマーシュ著、武田充司、仁科浩二郎訳、“原子炉の初等理論(上)(下)”、吉岡書店(1974))
James J. Duderstadt, Louis J. Hamilton, “Nuclear Reactor Analysis”, John Wiley & Sons, Inc. (1976).
(邦訳:J.J. ドゥデルスタット、L.J. ハミルトン著、成田正邦、藤田文行共訳、“原子炉の理論と解析(上)(下)”、現代工学社(1981))
George I. Bell, Samuel Glasstone, “Nuclear Reactor Theory”, Robert E. Krieger Publishing Co., Inc. (1970).
Samuel Glasstone, Alexander Sesonske, "Nuclear Reactor Engineering", Chapman & Hall, Inc. (1994).
小林啓祐著、“原子炉物理”、コロナ社(1996)
Weston M. Stacey, “Nuclear Reactor Physics”, WILEY-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA (2004).
岡嶋 成晃、 久語 輝彦 、森 貴正著、“原子力教科書 原子炉物理学”、オーム社(2012)
岡 芳明編著、“原子力教科書 原子炉設計”、オーム社(2012)
Raymond L. Murray and Keith E. Holbert, "Nuclear Energy: An Introduction to The Concepts, Systems and Application of Nuclear Processes Seventh Edition", Elsevier Ltd. (2013).
E.E. Lewis, “Fundamentals of Nuclear Reactor Physics”, Academic Press (2008). (PDF file of the book can be downloaded from Tokyo Tech library.
Glenn F. Knoll 著, 神野郁夫ほか 訳, 「放射線計測ハンドブック(第4版)」, オーム社, ISBN-13:978-4274214493 (2013).

成績評価の基準及び方法

原子炉物理実験に関しては実験及び解析を通して中性子理論、原子炉理論の理解が深まったかについて評価する。実験前の事前レポート(35%)及び実験レポート(35%)により評価する。
放射線計測実験については,放射線計測の原理と実際の装置に関する理解の度合いを実験への参加(15%)と期末筆記試験(15%)により評価する.

関連する科目

  • NCL.N402 : 原子炉理論第一
  • NCL.N406 : 原子炉理論第二
  • NCL.N401 : 原子核物理基礎

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

原子炉物理学の基礎知識を有するか、原子炉理論第一、原子炉理論第二を履修していることが必要
放射線計測実験については、原子物理学の予備知識を持っていることが望ましい。

オフィスアワー

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