2017年度 原子炉物理学実験   Nuclear Reactor Physics Laboratory

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開講元
原子核工学コース
担当教員名
各教員 
授業形態
    
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
木5-6(原講571)  
クラス
-
科目コード
NCL.N408
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2017年4月26日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

[概要] 実験は、京都大学原子炉実験所臨界集合体(KUCA)等を用い一週間程度の合宿により集中的に行うことを基本とする。実験では、軽水減速炉心を用い、臨界近接実験、制御棒校正実験、中性子束分布測定実験を行うことを基本とする。実験に並行して原子炉の運転実習、原子炉点検の実習等も行う
[ねらい] 原子炉物理学の基礎理論と実際の原子炉施設の安全管理の考え方等を理解することは原子力の安全な利用を担う上で必要不可欠である。本科目では、実験を行うことにより原子炉物理学の基礎理論の理解を深め、原子炉の安全管理の考え方等を実習を通じて理解することを目的としている。

到達目標

本科目を履修することにより次のことが可能となる。
1.臨界近接実験、制御棒校正実験、中性子束分布測定実験の原理が説明できる。
2.原子力施設での基礎的な安全管理が実践できる。
3.群定数を用いた臨界計算を行うことができる。
4.中性子による放射化と原子炉動特性理論が説明できる。

キーワード

原子炉物理学、臨界実験、臨界計算、臨界近接実験、原子炉動特性、中性子束分布

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

実験内容の理解のため実験に先立ち事前講義を行う。事前講義では、実験装置の概要、実験の原理、実験手順について解説を行い、あらかじめ与えられた課題に対し各自事前レポートを提出する。実験では、グループごとに測定・解析を行い、結果を発表し討論を行う。実験レポートは、各自がまとめ提出する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 実験の概要 実験の概要について説明できる。
第2回 放射性物質取扱手法 放射性物質を安全に取り扱うことができる。
第3回 臨界近接実験の理論 臨界近接実験の原理について説明でき、臨界計算ができる。
第4回 制御棒校正実験の理論 制御棒校正実験の理論について説明できる。
第5回 中性子束測定実験の理論 中性子束分布測定実験について説明できる。
第6回 原子炉の起動前点検及び停止後点検 原子炉の起動前点検及び停止後点検について説明できる。
第7回 臨界近接実験 (1)初期炉心構成 臨界実験の際の初期炉心の条件について説明できる。
第8回 臨界近接実験 (2)逆係数率測定 逆増倍率曲線から臨界量の推定ができる。
第9回 臨界近接実験 (3)臨界判定 原子炉の臨界の判定ができる。
第10回 制御棒校正実験 (1)ペリオド法及び補償法実験 ペリオド法jと補償法の実験結果から制御棒価値が計算できる。
第11回 制御棒校正実験 (2)ロッドドロップ法実験 ロッドドロップ法の実験結果から制御棒価値が計算できる。
第12回 中性子束分布測定実験 (1)放射化箔の作成とセッティング 中性子束分布測定における放射化箔について説明できる。
第13回 中性子束分布測定実験 (2)放射化箔の測定 放射化箔の測定の結果から中性子束分布が計算できる。
第14回 原子炉運転実習 原子炉の運転の基礎について説明できる。
第15回 実験結果の発表・討論 実験結果について報告しそれについての議論ができる。

教科書

三澤毅、宇根崎博信、卞哲浩著、「原子炉物理学実験」京都大学出版会 (2010) 
Tsuyosi Misawa, Hironobu Unesaki, Cheolho Pyen, ”Nuclear Reactor Physics Experiments”, Kyoto University Press (2010).

参考書、講義資料等

John R. Lamarsh, “Introduction to Nuclear Reactor Theory”, Addison-Wesley Publishing Company, Inc. (1965).
(邦訳:ラマーシュ著、武田充司、仁科浩二郎訳、“原子炉の初等理論(上)(下)”、吉岡書店(1974))
James J. Duderstadt, Louis J. Hamilton, “Nuclear Reactor Analysis”, John Wiley & Sons, Inc. (1976).
(邦訳:J.J. ドゥデルスタット、L.J. ハミルトン著、成田正邦、藤田文行共訳、“原子炉の理論と解析(上)(下)”、現代工学社(1981))
George I. Bell, Samuel Glasstone, “Nuclear Reactor Theory”, Robert E. Krieger Publishing Co., Inc. (1970).
Samuel Glasstone, Alexander Sesonske, "Nuclear Reactor Engineering", Chapman & Hall, Inc. (1994).
小林啓祐著、“原子炉物理”、コロナ社(1996)
Weston M. Stacey, “Nuclear Reactor Physics”, WILEY-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA (2004).
岡嶋 成晃、 久語 輝彦 、森 貴正著、“原子力教科書 原子炉物理学”、オーム社(2012)
岡 芳明編著、“原子力教科書 原子炉設計”、オーム社(2012)
Raymond L. Murray and Keith E. Holbert, "Nuclear Energy: An Introduction to The Concepts, Systems and Application of Nuclear Processes Seventh Edition", Elsevier Ltd. (2013).
(邦訳:マレー、ホルバート著、矢野豊彦監訳、”マレー原子力学入門”、講談社(2015)

成績評価の基準及び方法

実験及び解析を通して中性子理論、原子炉理論の理解が深まったかについて評価する。実験前の事前レポート(50%)及び実験レポート(50%)により評価する。

関連する科目

  • NCL.N402 : 中性子輸送理論
  • NCL.N406 : 原子炉理論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

原子炉物理学の基礎知識を有するか、中性子輸送理論、原子炉理論を履修していることが必要

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

tobara[at]lane.iir.titech.ac.jp(小原教授)

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