本講義は、特許等の知的財産に関する大学院講義を開講するために、合格率約5%の狭き門である知財法律家の「弁理士」国家試験に運良く合格して資格を取得することができた理工系教授により行われています。法律になじみの少ない理工系学生に知財法制度の初歩を講義するだけでなく、学外学習として特許庁見学も取り入れるなどユニークな講義です。研究開発者やベンチャー企業アントレプナーには必携ともいえる特許権利化などの社会実装能力やイノベーション実践リテラシーの向上をめざして、大学院生という研究初心者の目線から知的財産制度全般や研究関連法律について易しく概説します。またエネルギー関連の新材料開発研究が専門の理工系教授としての立場から、学術論文と特許の相違点、知的財産権取得のノウハウ、研究者倫理を超えた不正行為等を処罰する不正競争防止法などの知的財産関連の法律の初級講座を提供します。急速な社会・経済状況の進展に起因して毎年のように改正される特許法や知財関連法(商標法、意匠法、著作権法、不正競争防止法など)の最新エッセンスやグローバルな知財情報も分かり易い言葉で解説します。また、難関弁理士試験の短期合格秘訣などのキャリアアッププランも概説します。さらに特許庁見学での特許審査官等との対話を通じて、科学技術と社会との関係をより深く認識できるようにします。本科目は読み替えキャリア科目(GA:C0MとC1M)として認定されています。なお講義場所は、西暦奇数年が「すずかけ台キャンパス」、西暦偶数年は「大岡山キャンパス」の予定です。
本講義を履修することによって次の能力を修得します。
1) 理工系研究者・技術者、または工学系教育者として知っておくべき、産業財産権(特許権、商標権、意匠権、実用新案権)や著作権、不正競争防止法などの知的財産に関連する法律制度を容易に理解できる。
2) 産業の発展を目的とした特許等産業財産権制度や文化の発展をめざした著作権制度の趣旨を理解でき、これらの知財システムを理工系研究開発者として将来の産業および研究展開で応用できる社会実装能力を獲得できる。
知的財産、法律制度、特許、著作権
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の講義で,(1) 前回の復習、および(2) 今回のテーマに関連する事項を説明します。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 知的財産序論1(法律基礎) | 法律初歩の理解 |
第2回 | 知的財産序論2(法律基礎) | 法律初歩の理解 |
第3回 | 著作物と著作権1 | 著作権制度の趣旨の理解 |
第4回 | 著作物と著作権2 | 著作権制度の趣旨の理解 |
第5回 | ブランド(商標権) | 知的財産権の本質の理解 |
第6回 | デザイン(意匠権) | 知的財産権の本質の理解 |
第7回 | 特許序論(特許制度の概観) | 特許制度の趣旨の理解 |
第8回 | 特許出願 | 特許出願手続きや留意点の理解 |
第9回 | 特許審査・審判 | 特許審査過程の理解 |
第10回 | 特許権と特許侵害 | 特許権侵害の留意点の理解 |
第11回 | 特許庁見学(霞ヶ関) (コロナ災禍対応で内容変更の可能性あり) | 社会実装とキャリア拡大 |
第12回 | 特許周辺知財事項1(実用新案権・弁理士試験・国際特許・不正競争防止法など) | グローバルな知的財産事項と弁理士制度の理解 |
第13回 | 特許周辺知財事項2(実用新案権・弁理士試験・国際特許・不正競争防止法など) | グローバルな知的財産事項と弁理士制度の理解 |
第14回 | 期末試験 | 特許や知財等に関する筆記試験 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特に指定なし
特に指定なし
上記到達目標を提出課題レポート等により評価する。
履修の条件を設けない.
ただし、履修人数制限あり(max:100人)
yoshimoto.m.aa[at]m.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。