2020年度 誘電体・強誘電体特論   Advanced Course of Dielectric and Ferroelectric Materials

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開講元
材料コース
担当教員名
鶴見 敬章  保科 拓也  小林 健  栗村 直 
授業形態
講義    (Zoom)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月5-6(Zoom)  木5-6(Zoom)  
クラス
-
科目コード
MAT.C401
単位数
2
開講年度
2020年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2020年9月18日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

現在,誘電性を利用した多くのデバイスが実用化されており,誘電性は材料科学の重要な分野になっています。この誘電性を支配するのは分極です。本講義では,まず,分極の概念を古典的に理解するために誘電性の電磁気学から解説し,つづいて分極の発現機構を古典論と量子論を用いて説明します。物質の分極は周波数により変化します。この現象は誘電分散と呼ばれ,誘電体を材料科学的に理解するときや誘電体を応用するときには重要になります。本講義の前半は,分極が電界により発生する常誘電体に関する内容ですが,後半では,応力により分極が発生する圧電体,外部信号なしに自発的な分極を持つ焦電体,さらには,自発分極の方向が電界で変わる強誘電体について,その理論と応用を解説します。

到達目標

本講義を履修することによって,物質の誘電性を記述する物理変数の意味を理解し,さらに,分極の発現機構を材料科学の観点で把握することで誘電体の応用を考えることができるようになることを到達目標とします。さらに,本講義を受講することで,電磁気学,熱力学,量子力学など既に学習した内容を,誘電性という観点で整理し理解度を深めることを目標とします。

キーワード

分極、誘電性、強誘電性、圧電性

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

1) 講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。
2) 毎回の授業で出席を取ります。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 電界、電束密度、ポテンシャルの概念 電界、電束密度、ポテンシャルの概念の理解
第2回 物質の誘電応答に関する熱力学的取扱い 物質の誘電応答に関する熱力学的取扱いの理解
第3回 マクスウェル方程式の理解 マクスウェル方程式の意味を理解する
第4回 分極の概念とその発現機構(古典論) 古典論に基づく分極の概念とその発現機構の理解
第5回 分極の概念とその発現機構(量子論) 量子論に基づく分極の概念とその発現機構の理解
第6回 誘電分散(デバイ型緩和) デバイ型誘電分散の意味を理解する
第7回 誘電分散(共鳴型緩和) 共鳴型誘電分散の意味を理解する
第8回 強誘電体と自発分極 強誘電体と自発分極について理解する
第9回 結晶点群とテンソル 結晶点群とテンソルについて理解する
第10回 圧電性の基礎 圧電性について理解する
第11回 強誘電・圧電材料プロセッシング 強誘電・圧電材料の作製手法を理解する
第12回 圧電性の評価法 種々の圧電特性評価方法の特徴を理解する
第13回 強誘電体・圧電体の応用 I 強誘電体・圧電体のデバイスの特徴について理解する
第14回 強誘電体・圧電体の応用 Ⅱ 強誘電体・圧電体のデバイスの特徴について理解する

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特になし

参考書、講義資料等

講義資料は講義中に配布する。

成績評価の基準及び方法

1) 誘電性に関わる物理量,分極の概念と機構,誘電緩和,強誘電性,圧電性の材料と応用などについての理解度について評価
2) 配点は,中間試験・期末試験(80%),講義時間における演習(20%)

関連する科目

  • MAT.C306 : 誘電体材料科学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修の条件を設けない

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