本講義では、有機反応の基礎的知識を習得し、それを応用できる力を身につけることを目的とします。ペリ環状反応と合成ポリマーに焦点を絞り説明します。また、NMRやIRなどを用いた有機化合物の構造決定法についても紹介し、官能基に特徴的な分光スペクトルの解釈について示します。
有機化学の基本的な反応機構を理解し、有機化合物の合成法を習得することを一つ目の到達目標とします。そして、有機化合物の構造決定法を学ぶことにより未知試料のスペクトルから構造を導き出すことができるようになることを二つ目の到達目標とします。
有機合成、反応機構、構造決定
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
教科書の内容に沿って進めます。毎回の授業は、講義と演習から構成されます。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 有機反応の概観 | 有機反応の種類と機構を分類できるようになる |
第2回 | 軌道と有機化学:ペリ環状反応 | ペリ環状反応の機構を説明できるようになる |
第3回 | 合成ポリマー | 連鎖成長ポリマーおよび逐次成長ポリマーについて説明できるようになる |
第4回 | 構造決定:質量分析法と赤外分析法 | 有機化合物の質量スペクトルおよび赤外スペクトルを説明できるようになる |
第5回 | 構造決定:核磁気共鳴分光法 | 有機化合物のNMRスペクトルを説明できるようになる |
第6回 | 構造決定:核磁気共鳴分光法 | 有機化合物のNMRスペクトルを説明できるようになる |
第7回 | 共役化合物と紫外分光法 | 共役化合物の特徴と紫外スペクトルについて説明できるようになる |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
マクマリー著「有機化学、第9版、上巻、下巻」東京化学同人
マクマリー著「有機化学、第9版、中巻」東京化学同人
授業内容の理解度を、提出されたレポートおよび期末試験の結果を基に評価する。
有機化学(構造-I)(MAT.P211)、有機化学(構造-II)(MAT.P212)、有機化学(反応)A(MAT.P213)、有機化学(反応)B(MAT.P214)、有機化学(機能)A(MAT.P311)を履修していることが望ましい。
sagara.y.aa[at]m.titech.ac.jp