(1)有機電子材料を念頭に置いた固体物理学で、磁性、誘電物性、光物性を中心に行う。
(2)界面や接合など、デバイス構築に重要な概念を修得する。
(3)物質の誘電分散と光学的性質の関係を理解する。
(4)分子系の半古典的光物性を理解する。
(5)結晶の光学的性質を次元性との関連も含めて理解する。
(6)光電子材料としての有機物の特徴を理解する。
固体物理学(格子系)に引き続き、電子が主要な役割を果たす磁性や光物性などの固体の物性についての学習を行い、太陽電池等の光電変換デバイス、トランジスタ等の電子デバイス、有機EL等の発光・表示デバイスの研究開発に必要となる知識を習得する。
接合、誘電物性、光物性
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義を中心に授業を進める。授業が対面となった場合は、講義の初めに、リモートの場合は終りに前回の重要点に関する小テストを行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 物質の磁性の起源と典型的な磁性体の種類を説明する | 有機物で強磁性体を構築する原理を説明できること。 |
第2回 | 表面特異性および表面分析法 | 表面の特異性を観測する手法と測定原理を説明できること。 |
第3回 | 金属-半導体接触について、エネルギーレベルと電気的特性を説明する | 金属-半導体接合について、エネルギーレベルと電気特性を説明できること |
第4回 | pn接合についてエネルギーレベルと電気的性質を説明し、トランジスタの動作原理を解説する | pn接合についてエネルギーレベルと電気的性質を説明し、トランジスタの動作原理を説明できること |
第5回 | 物質と光の古典的理論I(ローレンツ・モデル)について誘電分散を含めて取り扱う | 誘電率の古典論について、誘電分散を含めて説明できること。 |
第6回 | 物質と光の古典的理論II(ドルーデ・モデル)についてプラズマ周波数を含めて取り扱う | 物質と光の古典的理論(ドルーデ・モデル)についてプラズマ周波数を含めて説明すること |
第7回 | 誘電関数と物質の光学的性質 | 複素誘電率と複素屈折率の関係を理解し、さらに物質の光学的性質の計算手法を説明すること。 |
第8回 | 局所場と外場の違いを扱い、分子分極率と誘電率の対応を議論する | 局所場の考え方を理解し、微視的な分極率と巨視的な誘電率の関係を説明すること。 |
第9回 | 物質と光の半古典的理論について解説する | 物質と光の相互作用の半古典論について説明すること。 |
第10回 | 振動・回転遷移について半古典的理論による扱いを行う | 振動・回転吸収スペクトルの機構を理解しスペクトルの特徴を説明すること |
第11回 | 分子の電子遷移について半古典的理論による扱いを行う | 電子スペクトルについて半古典論の説明をすること |
第12回 | 分子集合体の光物性について凝集により生じる物性を議論する | 分子集合体の光学特性を説明すること |
第13回 | 半導体の光学遷移について取り扱う | 半導体の光学遷移を説明すること |
第14回 | 光電子材料としての有機物の特徴 | 光電子材料としての有機物の特徴を説明すること |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
「入門 固体物性 基礎からデバイスまで」斉藤博 他(共立出版株式会社)
アトキンス「物理化学 第10版」下巻(東京化学同人)
ほぼ毎回の小試験および期末試験による。配点は授業中に説明する。
固体物理学(格子系)および光学を履修しているか、同等の知識を有していること。