2020年度 金属の電子構造と物性   Electronic Structure and Physical Properties of Metals

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開講元
材料系
担当教員名
史 蹟  中村 吉男 
授業形態
講義    (Zoom)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6(S223)  金5-6(S223)  
クラス
-
科目コード
MAT.M206
単位数
2
開講年度
2020年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2020年9月18日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

原子が静止している周期的な結晶構造を出発点とし,熱による格子振動を説明し,このような格子振動を波として扱い,固体の熱的物性の物理を理解してもらいます.また,固体の結合から電子の固体の中の結合状態を知り,電子の運動状態,エネルギー分布から金属や半導体の電気的な物性を理解してもらいます.さらに,3d殻の電子の状態により遷移金属原子の磁気モーメントの発現,遷移金属結晶の磁性を理解し,強磁性金属の磁化過程も理解してもらいます.

到達目標

金属の示す熱的,電気的,磁気的物性を知り,さらに,ミクロな視点から理解することを本講義の目標としています.
基本的に金属のミクロ的な構造(原子構造,電子構造)および原子,電子の運動から金属(固体)のマクロ的な物性を理解します.例えば,格子振動から金属(固体)の熱的な物性を理解し,自由電子モデル,バンド構造から金属(固体)の電気的な物性を理解,電子の運動と交換相互作用から磁気的な物性を理解します.

キーワード

金属結晶,金属結合,格子振動,比熱,熱伝導,自由電子,電気伝導,バンド構造,半導体,キャリア,金属の磁性,磁化

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回講義の初めは,前回内容のまとめを行い,その後その回の内容について説明する.必要に応じて,勉強した知識を使って問題を解かせる.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 結晶構造,基本単位胞,周期構造とk空間 結晶構造および逆格子空間の説明.
第2回 固体の結合 固体の結合,電子構造について説明する.
第3回 格子振動,弾性波,振動モード,状態密度 格子振動に関する基本概念を説明する.
第4回 比熱のアインシュタインモデルとデバイモデル 格子振動から固体の熱物性を理解する(比熱).
第5回 格子波,熱伝導 格子振動から固体の熱物性を理解する(熱伝導).
第6回 自由電子,フェルミエネルギー,分布関数,状態密度 自由電子モデルを理解する.
第7回 オーム法則,電気伝導率 自由電子モデルから金属の電気特性を理解する.
第8回 理解度確認総合演習(1) 理解度チェック中間試験
第9回 エネルギーバンド,固体の分類(金属,絶縁体,半導体) エネルギーバンド構造から,電気特性による固体の分類について理解する.
第10回 半導体の電気伝導,キャリア,有効質量 半導体の電気伝導特性を理解する.有効質量の導入.
第11回 不純物半導体,キャリアの移動度 不純物半導体キャリア濃度の計算,およびキャリア濃度の温度依存性.
第12回 金属の磁性,原子の磁気モーメント 磁性の発生について理解する.
第13回 強磁性体,自発磁化,磁区構造,磁化 強磁性体の特徴,自発磁化のメカニズムについて理解する.
第14回 理解度確認総合演習(2) 理解を深めるための総合演習

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

教員が準備する配布物

参考書、講義資料等

岡崎 誠著 『固体物理学ー工学のために』 裳華房,M. Ali Omar著  『Elemnetaray Solid State Physics』 Addison-Wesley
Charles Kittel著 『Introduction to Solid State Physics』 Wiley

成績評価の基準及び方法

小テストと演習(20%),中間試験(40%),期末試験(40%)によって評価します.

関連する科目

  • なし

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

なし

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