2018年度 非晶質体構造科学   Structural Science of Non-crystalline Solids

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
材料系
担当教員名
矢野 哲司 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月5-6(S7-201)  木5-6(S7-201)  
クラス
-
科目コード
MAT.C304
単位数
2
開講年度
2018年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2018年5月25日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

固体状態のひとつである「非晶質」の状態にある無機材料について,その構造と物性を作製法と関連させながら講義する.非晶質材料は,その構造に起因した特異な性質を示し,具体的な事例を数多くあげながら,熱,光,化学および機械的性質に見られるその特徴について理解を深める.また,非晶質材料の工学的,工業的利用についても知る.

到達目標

材料としてのガラス・非晶質物質の科学的特徴についての知識を身に着け、実用材料としての応用を知る。
ガラス・非晶質材料の作製・合成方法の特徴と物性との関係を知る。

キーワード

ガラス、非晶質、構造、物性、溶融

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

ガラス、非晶質材料に関する重要な項目を取り上げ、それらを関連させながら、実用材料としての構造や物性の特徴を学習していく。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 イントロダクション ガラス/非晶質の定義 ガラス・非晶質の区別 ガラス転移 過冷却液体
第2回 無機化合物のガラスになりやすさの指標(ガラス形成能) 網目形成酸化物 修飾酸化物 ザッカリアゼン則 Sunの規則 単結合強度 頂点共有 
第3回 ガラス化範囲と臨界冷却速度/化学組成からみたガラス ガラス化範囲 臨界冷却速度 TTT曲線
第4回 非晶質/ガラスの構造 (1) ガラス構造 架橋酸素・非架橋酸素 SiO2ガラス 酸塩基反応
第5回 非晶質/ガラスの構造 (2) B2O3ガラス 平面三配位 配位数変化
第6回 非晶質/ガラスの構造 (3) P2O5ガラス 非架橋酸素 P=O二重結合 共鳴
第7回 ガラス/非晶質の作製に必要な器具と設備 ガラス溶融 るつぼ溶融 タンク溶融 バッチ 成形 徐冷
第8回 原料の調製と溶融 どのような反応が生じているか? ガラス化反応 熱分解 酸塩基反応 気体の生成 泡の生成
第9回 ガラス形成時の評価 ガラス形成
第10回 溶融法を用いないガラスの作り方(液相法) 液相合成 ゾルゲル法 加水分解 重縮合 触媒
第11回 ガラスの評価 熱的性質 熱的性質 ガラス転移温度 熱膨張係数 熱伝導度 粘性
第12回 ガラスの評価 光学的性質 光学的性質 光の透過窓 屈折率 分散 アッベ数 基礎吸収端 マルチフォノン吸収 レーリー散乱 光損失 着色ガラス レーザーガラス
第13回 ガラスの評価 化学的性質 化学的性質 化学的耐久性 浸食 溶解速度
第14回 ガラスの評価 機械的性質 機械的性質 ガラスの破壊強度 グリフィス理論 クラックの成長 ビッカース硬度 脆性 加工 ガラスの強化
第15回 ガラスの特殊応用 ガラスの特殊用途

教科書

指定しない。

参考書、講義資料等

「はじめてガラスを作り人のために」山根正之著 内田老鶴圃
「ガラス科学の基礎と応用」作花済夫著 内田老鶴圃
「ガラスの百科事典」作花済夫ほか編 朝倉書店
「ガラス工学ハンドブック」山根正之ほか編 朝倉書店

成績評価の基準及び方法

出席,宿題,期末試験により評価する.

関連する科目

  • MAT.P204 : 物理化学(化学熱力学)
  • MAT.C201 : 無機量子化学
  • MAT.C302 : 分光学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

無機化学、熱力学、物理化学を履修していることが望ましい。

このページのトップへ