2018年度 結晶化学(C)   Crystal Chemistry (Ceramics course)

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開講元
材料系
担当教員名
鶴見 敬章  武田 博明 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6(S7-202)  金5-6(S7-202)  
クラス
-
科目コード
MAT.C301
単位数
2
開講年度
2018年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2018年3月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

現在,多くの無機化合物が機能性材料として利用され,その材料開発は科学技術や産業分野において重要な位置を占めています。無機化合物では構成する元素の種類,組み合わせに加え,それらの規則配列である結晶構造により発現する機能も異なってきます。その結晶構造を知ることは機能の発現機構を理解する上で必須であり,その手段としてX線回折法が最も普及しています。本講義の前半では,結晶構造の決定法の原理に関する内容として,結晶の対称性,X線回折の原理,結晶構造解析法について解説します。後半では,結晶構造を決める基本原理,自然界に存在する結晶(鉱物)を含む無機化合物の典型結晶構造とその特徴,物性との関係について解説します。

到達目標

本講義を履修することで,結晶構造を調べる方法と原理を理解し,さらに,無機化合物の結晶構造の特徴と物性との関係を把握することで,必要な機能をもつ無機化合物の設計指針と応用を考えることができるようになることを到達目標とします。さらに,これら無機化合物の多くが自然界に存在する結晶(鉱物)の構造で特徴づけられることを学習し,地学を主とした自然科学と材料工学との関わりを理解することを目標とします。

キーワード

結晶構造、X線回折、化学結合、無機結晶

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

1) 講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。
2) 毎回の授業で出席を取ります。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 結晶の外形と対称性 結晶の定義の説明
第2回 結晶点群、平面群、空間群 結晶点群、平面群、空間群の理解
第3回 X線の性質(連続X線,特性X線) 連続X線と特性X線の発生と利用方法の理解
第4回 X線回折強度(1):散乱X線、原子散乱因子 散乱X線、原子散乱因子の理解
第5回 X線回折強度(2):結晶構造因子、フーリエ級数、消滅則 結晶構造因子、フーリエ級数、消滅則の理解
第6回 X線回折強度(3):ラウエ関数、逆格子空間 ラウエ関数、逆格子空間の理解
第7回 X線回折強度(4):多重度因子,吸収因子,温度因子 多重度因子,吸収因子,温度因子の理解
第8回 結晶構造解析の実際 結晶構造解析プロセスの理解
第9回 化学結合(金属結合,イオン結合,共有結合) 化学結合の理解
第10回 イオン半径と配位数(イオン半径表,配位数) イオン半径と配位数の理解
第11回 イオンの充填とポーリングの法則(立方最密充填,六方最密充填,イオン半径比と配位数) 立方最密充填,六方最密充填,ポーリングの法則の理解
第12回 無機結晶の構造と物性(1):岩塩型,セン亜鉛鉱型,ウルツ鉱型,ヒ化ニッケル型 岩塩型,セン亜鉛鉱型,ウルツ鉱型,ヒ化ニッケル型結晶の構造と物性の理解
第13回 無機結晶の構造と物性(2):ルチル,アナターゼ,クリストバライト,ホタル石,コランダム ルチル型,アナターゼ型,クリストバライト型,ホタル石型,コランダム型結晶の構造と物性の理解
第14回 無機結晶の構造と物性(3):ペロブスカイト,スピネル ペロブスカイト型,スピネル型結晶の構造と物性の理解
第15回 無機結晶の構造と物性(4):ケイ酸塩 ケイ酸塩結晶の構造と物性の理解

教科書

指定なし

参考書、講義資料等

講義資料は講義中に配布する。

成績評価の基準及び方法

1) 結晶構造の決定法と原理、無機化合物の結晶構造とその物性との関わりなどについての理解度。
2) 講義中に出された課題への回答(20%)および期末試験(80%)で成績を評価する。

関連する科目

  • MAT.C202 : 結晶とフォノン

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

結晶とフォノン(MAT.C202)を履修していること,または同等の知識があること。

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