2022年度 エネルギー学理概論   Introduction to scientific principles of energy

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開講元
物質理工学院
担当教員名
荒井 創  佐藤 浩太郎  林 幸  松本 英俊  宮内 雅浩  上田 光敏  和田 裕之  山口 晃 
授業形態
講義    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
金1-2(H114)  
クラス
-
科目コード
XMC.A301
単位数
1
開講年度
2022年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2022年6月10日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

エネルギー問題を多元的な視点から判断できる俯瞰力・自立的課題抽出・解決力を養い、イノベーションを牽引する人材を輩出するための基礎的な学理領域の中から、主に材料・化学のディシプリンに基づく領域を取り上げて紹介する。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 電気/熱/光といった種々のエネルギーを利用・変換するために必要な熱力学法則や速度論を理解する。
2) 化学エネルギーと電気エネルギーの変換を行う蓄電池および燃料電池の作動原理、現状、課題を理解する。
3) 半導体の基礎を学び、太陽電池、発光ダイオード、光合成等の光と種々のエネルギーの変換デバイス・機構を理解する。
4) エネルギーに関連する高温プロセスと金属材料、および電荷担体となる有機・高分子材料の基礎と応用について理解する。

キーワード

エネルギー利用 エネルギー変換 エネルギー貯蔵 熱力学 平衡論 速度論 蓄電池 燃料電池 光化学 太陽電池 高温プロセス グリーンケミストリー

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

学修効果を上げるため、授業前に授業計画に目を通し、毎回の配布資料や関連分野の教科書を参照して授業内容に関する復習(課題を含む)を行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 エネルギー学理とは エネルギー学理の基礎となる、熱力学第一法則・第二法則・平衡論・反応速度論を復習し、エネルギー保存則、可逆課程、エネルギー変換効率、定常状態と平衡状態、エネルギー準位等の概念を概観し、また電気/熱/光といった種々のエネルギー形態の関連性を身につける。
第2回 電気化学(1) リチウムイオン電池・全固体電池・空気電池等を対象として、蓄電池技術の基礎と現状について理解する。また化学ポテンシャルを始めとする熱力学と充放電反応の関係、相転移と電位曲線の関係、電極材料と密充填構造の関連、電気化学測定による挙動解析を理解する。
第3回 電気化学(2) 化学電池を理解するため電極反応の平衡論と速度論の基礎を復習する。併せて化学反応を利用した発電の実例として、水素を利用する燃料電池について最近の応用を含めて概観し、水素社会の実現に向けた電池技術の重要性を理解する。
第4回 半導体を用いたエネルギー変換材料とデバイス 光エネルギー変換や熱電変換の基礎となる半導体の基礎と、デバイス構造について学び、太陽電池などの応用例についても理解する。基礎となる半導体物性は、電子のバンド構造に起因したバンドギャップ、不純物ドープによるp型およびn型半導体の生成、p-n接合を学び、光電変換素子、発光素子等のデバイス構造を習得する。半導体の応用として、エネルギーデバイスの太陽電池、熱電変換、表示・照明デバイスの発光ダイオード、各種センサー素子等を広く理解する。
第5回 光化学 分子と光の相互作用に基づいた光化学反応の基礎、および、その応用について理解する。光化学に関しては、分子の電子状態、電子励起状態、光子の吸収と放出、波動関数等を学びながら、分子に光をあてると何が起こるかを理解する。光化学の観測および解析の方法、実験装置に関する知識を習得する。光化学の応用に関しては、自然界における光合成、身の回りの太陽電池、ディスプレイ、撮像素子などの電子デバイス、光通信、リソグラフィー等を広く理解する。
第6回 金属とエネルギー 鉄鋼材料の製造プロセスや火力発電等の高温エネルギー変換プロセスは、カーボンニュートラル社会においても必要不可欠な技術であり、将来的にこれらのプロセスの低炭素化や高効率化が必要となる。本講義では、これらのプロセス開発における取り組みをいくつか紹介しながら、関連する基礎学問についての理解を深める。
第7回 有機・高分子とエネルギー 電荷キャリア(電子・ホール・イオン)の伝導に必要な有機・高分子材料の化学構造および高次構造について学び、太陽電池、燃料電池、二次電池などのデバイスへの応用例について理解する。また、環境適応型高分子について、低環境負荷型の製造法、生分解性やバイオベース高分子材料、高分子材料のリサイクルなど通じて学び、エネルギー・環境問題と高分子材料の関わりを理解する。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特になし

参考書、講義資料等

講義資料はT2SHOLAを通じて配布するので、授業前にダウンロード、必要に応じて印刷しておくこと 

成績評価の基準及び方法

講義中のクイズおよびレポートで評価する 

関連する科目

  • 特になし 

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特にないが、物理化学の基礎(熱力学・速度論)についての知識があることが望ましい

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