本講義は革新的材料・デバイスの探索、キャラクタリゼーション、およびその応用について講述するものである。
革新的な概念、技術を紹介することを目的とし、ナノテクノロジーの現状について俯瞰する。
本講義を履修することによって,社会における革新材料の役割を学ぶと共に、物理・化学・数学をベースとした革新材料の考え方を理解する。
革新的な概念、技術に注目することにより、エネルギー・環境材料の探索、キャラクタリゼーション、応用に関する最新のトピックスと発展について俯瞰する。特に、材料科学における革新的な概念・技術、そして材料、プロセス、応用に関する 最新のナノテクノロジーの発展を大づかみにすることを目標とする。さらに,革新材料に関する最新のトピックスについて理解し,本講義で得た知識を基盤に実用的材料の設計と開発に応用できることを目標とする。
イノベーション、材料科学、ナノテクノロジー、極限科学、触媒材料、化学プロセス
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
本講義では、以下のトピックスを扱う。各自の研究テーマや興味との観点からふさわしいものについて掘り下げてレポートする。
(1) 宇宙開発・探査に有効な材料革新
(2) 革新的な光エネルギー変換材料
(3) 革新的な触媒材料
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 宇宙環境利用としてのその場資源有効活用 | 宇宙探査計画の推進において必須な技術である「その場資源有効利用」についての理解を醸成する |
第2回 | 宇宙開発研究から導かれたスピンオフ | NASA 2015年スピンオフ技術を中心に、研究開発における「起承転結」の重要性について理解する |
第3回 | 人工器官の研究開発における上位設計指針 | 人工器官、特に人工網膜の研究開発を対象に、課題に対する上位設計の重要性について理解を深める |
第4回 | スーパーアトムとフラクタル構造に挑むナノテクノロジー | 量子的超原子としてのスーパーアトムを解釈し、ナノテクノロジー的にアプローチするフラクタル構造の理解を深める |
第5回 | 宇宙太陽発電システムの研究開発動向 | 宇宙太陽発電システム研究開発を対象に,長距離リモートセンシング技術や大型展開構造物形成技術について理解する |
第6回 | フォトニクス入門 | 光とは何か? |
第7回 | 革新的太陽光エネルギー変換「有機光触媒」 | 光吸収、エネルギー移動、電子移動の素過程とそれら同期により、高効率に太陽光エネルギーを変換することを説明する |
第8回 | 革新的高強度光発生「高出力レーザー材料」 | レーザー発振の原理とレーザー高出力化のための材料の仕様と開発について説明する。 |
第9回 | 革新的高エネルギー密度発生「超低密度材料と高真球カプセル」 | レーザーと物質の相互作用について説明し、高効率にレーザーエネルギーを物質中に集中させるための標的材料の仕様とその合成について例を挙げる。 |
第10回 | 革新的ナノテクノロジー「極端紫外光源」 | ムーアの法則に従った最新のリソグラフィーについて述べ、最新の13.5 nmの光源の発生法を説明する。 |
第11回 | 触媒化学の基本概念 | 速度論、平衡論、活性化エネルギー |
第12回 | 均一系触媒作用と反応機構 | 有機金属錯体、酸化的付加、還元的脱離 |
第13回 | 不均一系触媒作用と反応機構 | 固体触媒、ラングミュア・ヒンシェルウッド機構 |
第14回 | 触媒材料の工業的応用(1) | 酸塩基触媒反応、酸化、還元 |
第15回 | 触媒材料の工業的応用(2) | 高分子、有機合成、エネルギー・環境触媒 |
講義ノートや参考資料は講義中に配布する。
講義資料は講義中に配布する。
(1)自らの選ぶトピックに関するレポート、(2)質疑応答能力、について評価する。評価にあたっては自身の独自なコメントを高く評価する。
履修の条件を設けない。
本講義の受講は、材料科学・工学の分野に関わる留学生だけでなく日本人学生にも推奨する。