半導体の材料物性とデバイス物理について,無機材料と有機材料の観点より講義する。無機半導体の基礎を解説し,PN接合を基軸として太陽電池やフラッシュメモリーなどについて具体例を含めて講義する。さらに,新しい半導体としての有機材料の電子伝導性,光学特性を学び,発光デバイスやトランジスタへの展開など幅広い知識を修得する。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)エネルギーバンドとPN接合の概念を説明できる
2)デバイスの動作原理とPN接合の関連を説明できる
3)分子軌道と有機エレクトロニクスの概念を説明できる
4)磁場センサーなどの半導体センサーの基本原理を説明できる
半導体 電子物性 エネルギーバンド デバイス 有機半導体
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
毎回配布する講義プリントにしたがって授業を進める。毎回の講義の最後に小テストを行い、その提出をもって出席とする。適宜講義内容に関連したデモンストレーションを行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 半導体のエネルギーバンド1 | エネルギーレベルの全貌、伝導帯と価電子帯、直接(間接)遷移 |
第2回 | 半導体のエネルギーバンド2 | 状態密度、フェルミレベル、ドーピング |
第3回 | 電気伝導 | 電子の励起、拡散、移動度、緩和と寿命、電流 |
第4回 | PN接合 | 拡散電位、空乏層、イオン分布、電流電圧特性 |
第5回 | 半導体デバイス1 | 太陽電池、LED |
第6回 | 半導体デバイス2 | MOS-FET、フラッシュメモリ、イメージセンサー |
第7回 | 半導体ナノ構造 | ナノ粒子、CNT、NWs、グラフェン |
第8回 | 有機エレクトロニクス | 有機トランジスタ、有機LED、有機太陽電池 |
第9回 | 有機エレクトロニクスの基礎1 | 分子軌道とヒュッケル近似、位相速度と群速度 |
第10回 | 有機エレクトロニクスの基礎2 | ドルーデモデル、強結合近似と1次元バンド |
第11回 | 有機エレクトロニクスの基礎3 | 1次元格子の二量化とポリアセチレン、対称性の自発的破れ |
第12回 | 有機エレクトロニクスの基礎4 | 強結合近似と2次元バンド、銅酸化物超伝導、グラフェン |
第13回 | 磁気効果 | ホール効果、ランダウ準位、量子振動 |
第14回 | 強相関有機デバイス | モット絶縁体、超伝導トランジスタ |
第15回 | 総合解説 | 無機半導体、有機半導体 |
毎回の講義に即した資料を配布
特に指定なし
半導体デバイスの動作原理および有機半導体の利用について,その理解度を2つのレポート課題によって評価。
配点は,レポート課題(80%),講義出席(20%)。
基礎的な物理および化学の知識を有すること